○一松事変 ページ2
*
ある昼頃の出来事。
「スー…スー…」
革ジャンやズボン、サングラスや雑誌を床に置いたまま、
カラ松はソファーの上で青い毛布をかけながら寝ていた。
すると、漫画とポテトチップスを抱えながら一松が入ってくる。
「…………」
一松は寝ているカラ松に目が入り、床に置いてある雑誌に視線を向ける。
すると、ピョコッと一松の頭から猫耳が生えてきて、
辺りをキョロキョロと見渡したり襖を開けて誰もいないか確認し、
汗を大量に垂らしながら雑誌に手をかけようとする。
それも震えながら。
「ん"ん〜…」
「っ!」
急に唸り始めるカラ松に一松は驚いて後ろに下がる。
「スー…スー…」
どうやら、ただ寝ぼけているだけの様子。
カラ松は再度眠りにつく。
一松は再度雑誌を見た。とても釘付けになっていた。
ーーーー
そして、一松は何に興味を持ったのかさっぱり不明たが、
カラ松の革ジャンやズボン、そしてサングラスもかけてコーデを着こなしていた。
一松は満足そうに鏡を見て顎に手を添えていた。
─ギシッ
「っ!」
一松は音のした廊下の方を思い切り振り返る。
しかし、そこには誰もいなかった。
気のせいで終了。
かと思われたら大間違いだ。
「オイゴラ、待てハイ松」
『ひぇっ!』
忍び足で階段を下りようとしたハイ松に一松が低い声で彼を呼び、
ハイ松は反射的に背筋をピンと伸ばして甲高い悲鳴を上げた。
一松はハイ松のフードを引っ張って部屋へと連れていった。
『待って待って!ぼ、僕なんの事だかわからないなー…』
「しらばっくれてんじゃねぇぞテメェ。見てたんだろ?答えろ!」
『見てないから!一松がカラ松兄さんの服着てたことなんて見てないから!』
「がっつり見てんじゃねぇかよ!!」
「ん…」
「『っ!』」
ハイ松の胸倉を掴みながら鬼の形相で言う一松に涙目で困り顔のハイ松。
彼らの会話が大きかったのかカラ松が動き出し
二人はハッとして無言になるとカラ松はまた寝息を立てて寝た。
『み、見て見ぬ振りしようとしてただけだって…!』
「お前このこと兄弟に言ったらぶっ殺すからな!!
お前を殺して俺も死んでやるからよ!!」
『何でそんなに強気なのぉ!?言わないって!』
そんな感じで一松とハイ松が軽い言い合いをしていたその時だった。
「あー暇だー」
「『っ!』」
おそ松が入ってきて、一松はハイ松の胸倉を掴むのをやめた。
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作者名:びた一 x他1人 | 作成日時:2022年8月12日 12時