・Thirty seven ページ42
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何かを企んでいるような表情で
カリムに言い返そうとするAだが、
ジャミルに止められてしまう。
『フッ……すまない
我も悪魔に取り憑かれたのかも知れぬな……
今すぐ結界を張られる時が来たようだ』
少しだけ黙っていたAだったが、
また何時もの調子で言い、
ジャミルは思わず溜め息を吐いてしまう。
「お前ら、大丈夫だ。
こんなこともあろうかと、
ラクダに水を積んできてある
荷物を降ろして水を分け合え」
「ありがとうございます
ああ……ジャミル先輩が
寮長だったら良かったのに」
「!!滅多なことをいうんじゃない
カリムに聞かれたらどうする」
「だって、そうじゃないですか」
「カリム寮長がこうなる前から、
寮長の仕事らしいことは、
ほとんどジャミル先輩が……」
寮生とジャミルが小声で喋っているが
すぐ後ろにいるAは
既にボイスレコーダーをONにして
その会話を盗み聞きしていた。
「シー……。いいんだ
それがアジーム家に仕える俺の一族の……
いや、俺の仕事だからな
水を飲んで少し休め
陽が高くなって気温が上がってきた
きっと帰り道のほうがキツくなるぞ」
「ジャミル先輩…………」
「寮生集合!休憩時間は終わりだ!
さあ、さっさと隊列を組め!」
「ジャミル先輩。俺、俺……
やっぱりもうこんな寮にはいたくない」
「僕も、もう寮長に従えません!」
「ジャミル先輩はなぜ
あんなカリム寮長に従うんですか!?」
スカラビアの寮生は
副寮長であるジャミルにそう訴え掛けていた。
「それは……アイツが
『カリム・アルアジーム』だからだ」
寮生たちの会話を聞いていたAは
目のハイライトが一気に消え、虚ろになる。
『(散々、あんなに従っておいて、
すぐに手の平がコロコロと変わっていく……
そして、挙げ句には副寮長に頼んで
自分たちでは何も解決しないんだな
……ああ、人間は本当に醜い生き物だ)』
「A?聞いているのか?」
Aがボーッとしているのに
気が付いたジャミルはAに話し掛け、
Aは『何』と淡々と答える。
「今日の夜、少し話をする
カリムには気付かれないように
俺が手を打っておくから
時間が欲しいんだ」
『
「何だ?」
『ああ、何でもないさ
我も汝の話を楽しみにしておく』
先程まで虚ろだったAの目は
すぐにハイライトが入り、
仁王立ちをして了承した。
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びたー(プロフ) - 遠井茜さん» こちらこそ!ご指摘ありがとうございます!男主くんのキャラ好きと言ってくれてすっごく嬉しいです!(最近キャラ定まってなくて自分でも心配になってきた……)はい!ありがとうございます!! (2020年12月29日 23時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - にゃーさん» いえいえ!こちらこそ、リクエストありがとうございました!はい!またリクエストお待ちしていますね!ありがとうございます!! (2020年12月29日 23時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
遠井茜(プロフ) - 変更ありがとうございます。男主くんのキャラとか結構好きでお話も面白いのでこれからも頑張ってください! (2020年12月28日 10時) (レス) id: 644f0d831e (このIDを非表示/違反報告)
にゃー - リクエストありがとうございます!主くんとの関係性好きです……またリクエストしますね!更新頑張ってください!応援してます!してます! (2020年12月28日 0時) (レス) id: cb56eb981d (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - 遠井茜さん» コメントありがとうございます!不快な思いをさせてしまって、本当にすみません…。主くんの喋っているかっこを書き直させていただきます!この度はご指摘&アドバイスありがとうございます!! (2020年12月27日 16時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:びた一 | 作成日時:2020年12月20日 21時