・Thirty five ページ40
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スカラビア寮の空き室からは
ゴリゴリ、と穴を掘る音が響く。
「思ったよりスムーズに削れる!
結構イケそうな気がしてきたんだゾ」
『……素手でも意外とイケるんだな』
そして、またAとグリムは
穴を掘るだけの地道な作業を繰り返す。
因みにAははめていた黒手袋は
汚れると思いつつも、
黒手袋をはめたまま複雑に思いながらも
穴を掘っているのだ。
素手で。
そして、またゴリゴリ、と
穴を掘る音が響いている。
「掘ってるだけの
単純作業で飽きてきたんだゾ〜……
ユウ、ちょっと代われ
オレ様が見張ってるんだゾ」
『……これ、腰が意外と疲れるな』
ユウは嫌な顔は多少したが、
グリムと渋々代わって
Aと一緒に床の穴を掘っていく。
「やべっ!見張りが来た!
寝てるフリをするんだゾ!」
『ええ!?あ……えと
じゃあ……黒マントで隠しておくか』
________
そして、穴を掘っていると、
気付けば小鳥が囀っており、
夜から朝になっていた。
「朝までかかって、
やっとオレ様の両腕が
通るくらいの穴が掘れたんだゾ」
「脱獄は一晩にしてならずだね……
だけど、1日目にしてはいいペースだよ!」
『ユウくんの言う通りだ
取り敢えず、気付かれたら不味いから
我の黒マントで隠しておく』
2人と1匹のチームワークもあってか、
一日目にしてはとても良い進み具合で
満足しているユウとA。
すると、鍵の開く音が聞こえ、
勢いよくドアが開かれる。
「出ろ、お前たち!朝の特訓の時間だ
今日も東のオアシスまで行進する!」
『……早くこんな生活なんかやめてやりたい』
________
「寝ぼけた顔をするな!
気を引き締めろ!
さあ、東のオアシスに向けて出発!」
「うぅ、寝不足の身体に
暑さが辛いんだゾ〜…」
『ああ…睡眠は必要だな…
早くオクタヴィネル寮に戻って涼みたい…』
徹夜してまで穴を掘っていた
2人と1匹(特にグリムとA)は
眠そうな顔をしてそう言う。
「寝不足なのか?
体調を崩さないように水分補給をしっかりな」
「ジャミル〜…
わかった。気をつけるんだゾ…」
『いや…我はもう限界だ…』
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びたー(プロフ) - 遠井茜さん» こちらこそ!ご指摘ありがとうございます!男主くんのキャラ好きと言ってくれてすっごく嬉しいです!(最近キャラ定まってなくて自分でも心配になってきた……)はい!ありがとうございます!! (2020年12月29日 23時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - にゃーさん» いえいえ!こちらこそ、リクエストありがとうございました!はい!またリクエストお待ちしていますね!ありがとうございます!! (2020年12月29日 23時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
遠井茜(プロフ) - 変更ありがとうございます。男主くんのキャラとか結構好きでお話も面白いのでこれからも頑張ってください! (2020年12月28日 10時) (レス) id: 644f0d831e (このIDを非表示/違反報告)
にゃー - リクエストありがとうございます!主くんとの関係性好きです……またリクエストしますね!更新頑張ってください!応援してます!してます! (2020年12月28日 0時) (レス) id: cb56eb981d (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - 遠井茜さん» コメントありがとうございます!不快な思いをさせてしまって、本当にすみません…。主くんの喋っているかっこを書き直させていただきます!この度はご指摘&アドバイスありがとうございます!! (2020年12月27日 16時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:びた一 | 作成日時:2020年12月20日 21時