人間嫌い？な人魚のお話。

・Nine ページ14

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笑顔で無理矢理グリムの口に
青カビチーズを突っ込むカリムは

「そうかそうか、美味いか！
もっとたくさん食えよ。あっはっは！」と

笑いながら言っていた。


「むぐぐぐ〜！ふががっ！」


と明らかに苦しそうなグリムに

「グリムううううっ！！」とユウは
冷や汗を垂らしながらグリムの名を叫んでいた。


「食べ物も飲み物もじゃんじゃん持ってこい
音楽も、もっと盛り上がっていこうぜ！

今日は宴だ！」


＿＿＿＿＿＿＿＿


「も、もう食べられない……。うっぷ
腹がはちきれそうなんだゾ

あのカリムってヤツ、

めちゃくちゃカビののった
クラッカーを食べさせてきやがる

出されたモンは全部食うのが
オレ様のポリシーだけど

それにしたって食わせすぎだゾ……」


『それに、本人は悪気がないからな
余計にタチが悪い……』


食べ過ぎて苦しいのか、
床に横たわるグリムに、

苦笑いしながら頭を撫でるユウ。

そして、Aは額に手を当てて、
周りでも分かるくらい苛ついていた。


「おーい、3人とも。おやつにしないか？
アイスクリームがあるぜ

それともフルーツの盛り合わせがいいか？

ピスタチオとアーモンドの焼き菓子もあるぞ
ジャミルに持って来させようか」


「ふな゛っ！い、いらねぇ
もう一口たりとも入らねぇんだゾ〜！」


「そうか、どれも美味いから
食ってもらいたかったんだけどな

ま、オレたちはこの冬休みは
ずっと寮にいる予定だし

いつでもメシ食いに来いよ。な、ジャミル！」


「ああ。いつでも」


と笑顔を見せながら言う2人に
Aは『今度はもう来ないよ』と

呆れた顔でそう言った。


「何故、家に帰らないんですか？」


「ん？ああ……この間、寮対抗マジフト大会と
期末テストがあっただろ？

ウチの寮、どっちも順位が
最下位になっちまってさ」


と落ち込んで言うカリムに
ジャミルは何も言わずに黙っていた。

『へぇ？もしかして合宿的な？』と

明らかに馬鹿にしているような笑顔で
カリムに聞くA。


「ああ！それで、一念発起

寮生みんなで自主的に
特訓しようぜってことになったんだ」


「マジフト大会ではスタートラインにすら
立てなかったオンボロ寮からしてみたら、

羨ましい話なんだゾ」


「そっかぁ。そりゃ残念だったな」


話を戻そうと『それで？特訓メニューは？』と
Aはカリム……ではなく、

ジャミルに溜め息を吐きながら聞く。

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