人間嫌いな人魚のお話。 (ページ42)

今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:185,358 hit

・Forty one ページ42

✻

「ユニーク魔法の使い過ぎです
ブロットが蓄積許容量を超えている！

Aのユニーク魔法も強力……

きっとAが使い、溜まっていた
ブロットも吸い込まれている……

このままでは……。

オーバーブロットしてしまう！」

「あーっはっは！
あーーーっはっはっは！」

不気味な高笑いをしたアズール。

白い宝石で輝いていたマジカルペンは
黒く塗り潰されて、

白から黒へと変化してしまった。

そして、アズールは人魚本来の姿に戻り、
身体も黒へと染められていた。

極端に言うと、
闇落ちバーサーカー状態だった。

「ふな゛っ！アイツ、
足がタコになったんだゾ！」

「あれが海のなかでのアズールの姿です」

「あの後ろの何？
オレでも締められないほどデカイ！」

フロイドが言う後ろのというのは、

ブロットと融合して現れている
化身のようなものだった。

「今はアズールを正気に戻すことが最優先だ」

「じゃないと、オレたちも
イソギンチャクにされちまうッス！

Aくん、大丈夫スか？」

『うん、ユニーク魔法は取られたけど、
他の魔法なら使える！

我………俺も手伝うよ』

＿＿＿＿＿＿＿＿

少しだけだが、
アズールの体力は削れているが、

まだ暴走しているアズールは
ピンピンしていた。

これは、ジェイドやフロイド、
Aも手こずってしまう。

「取引しましょうよ、
僕と取引しましょうよぉ……」

「いつものアズールとだったら
取引してもいいけど

今のアズールとはヤだな」

「ええ、同感です」

『………うん、そうだね
俺はアズールと取引なんかしたくないがね』

しかし、3人はまだ戦える状態だった。

あんなにフラフラしていて
今にも倒れそうだったAも

アズールを睨み付けながら、
二人の意見に賛同した。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

長い戦いだったが、

やっとオーバーブロット化した
アズールを倒せる事が出来たユウたち。

「そうやってみんな僕をいじめる！
僕がグズでノロマなタコだから？

僕はただ、力を手に入れてアイツらを
見返してやりたかっただけなのに……！！

僕は……僕はただ……っ！」

そう言い残し、
オーバーブロット化したアズールは

気を失ってしまった。