人間嫌いな人魚のお話。 (ページ40)

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・Thirty nine ページ40

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「なんだ……！？黒いオーラが……」

「レオナさんが期待させてから
落とすようなマネするからッスよ！

アズールくん
ほ、ほら。ちょっと落ち着こ、ねっ！」

A同様、アズールをあやそうとしている
ラギーはアズールにそう言うが

「うるせ〜〜〜！！！！」と
アズールは怒鳴っていた

『ま、マズい！このままじゃ…
アズールがオーバーブロットするぞ！！

アズール！本当に落ち着け！』

物凄い剣幕でアズールを静めようとするが、
「黙れっ！！」とやはり

ラギーと同じでアズールに怒鳴られてしまう

「お前らに僕の気持ちなんかわかるもんか！

グズでノロマなタコ野郎とバカにされてきた
僕のことなんか……お前たちにわかるはずない！」

『………ッ！』

すると、さっきまで喚いていた
アズールはピタリと止まり、黙ってしまう

すると、いきなり「ふ、ふふふ」と
不気味な笑い声を出す

「ああ、そうだ……
なくなったなら、また奪えばいいんだ……

くれよ。なあ、お前らの自慢の能力、
僕にくれよぉ！」

『アズールゥゥウ！！！』

Aがアズールへ怒鳴って
呼び掛けるが、アズールには届かず

オクタヴィネル寮の周りは
黒く汚れていった

「そこのお前の雷の魔法、
その隣のヤツの運動能力、

全部、全部僕によこせぇ！」

「ひぃい〜〜〜〜〜っ！」

と悲鳴を上げるスカラビア寮の寮生は

呆気なくアズールに
魔法を吸い込まれてしまった

「アズールくん、
みんなからナニを吸ってんスか！？

吸われたヤツらが次々倒れていく！」

「アイツのユニーク魔法、
契約書を介さないと他人から全ての能力を

吸い取っちまうようだな

契約自体が魔法の効果を制御する役割を
果たしてたんだろう」

「えぇ！？怖すぎじゃないスか？」

「ああ、そんな禁術クラスの魔法
反動であっという間に

ブロットの許容量を超えるぞ」

しかし、既にアズールのマジカルペンは

黒に染まっており
Aは舌打ちをする

『アズール！もうやめろ！』と
中二病のキャラを捨てたAは

アズールを睨みながら怒っていた

「なぁ……A……
お前のユニーク魔法…僕によこせぇ！！！」

『……なっ！！やめろ！アズール！！』

しかし、Aの制止は虚しく
アズールは彼のユニーク魔法だけを

吸い取ってしまった

それと同時に、Aが使って
溜まりに溜まったブロットまでもが

アズールに吸い込まれてしまった

『(………失敗だ、何もかもが)』