・Thirty three ページ34
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「……ふぅ……」
モストロ・ラウンジで一通り掃除を終え、
材料の在庫などを確認したAは、
後の事を寮生に任せて、
VIPルームへ足を運んだ。
「ふふ……ジェイドとフロイドは
首尾よくやっているようですね
これでオンボロ寮も、あの写真も
もう僕のものだ
ふふふ……ははははは!」
VIPルームの扉の前でノックをしようとした
Aであったが、
アズールの独り言と笑い声が聞こえ、
ピタリと止まってしまう。
『(……これで良かったのだろうか)』
AはVIPルームの扉の前で
突っ立っていた。
「あ!Aさん!」
と何やら慌ててVIPルームへ来たのは
オクタヴィネル寮の寮生。
Aは落ち着いた様子で
『どうかしたのか?』と聞いてみる。
「実は……モストロ・ラウンジで
客同士が揉めて騒ぎになってるんです
ジェイドさんとフロイドさんが居なくて、
今、支配人を呼びます!
だから『ああ、分かった。報告ありがとな』」
一刻も早く、問題を解決しようと、
Aは廊下を走りながら
モストロ・ラウンジへと向かう。
『(まだ開店直後……)』
すると、そこにはサバナクロー寮の寮生達が
たくさんいてAも目を開いていた。
「早くドリンク作れよォ!!」
「おい!まだ料理出来てねぇのかよ!」
あまりの荒れっぷりを見て、
Aは『……獣臭い奴らか…』と
溜め息を吐いて、手に額を当てていた。
「あ!Aさん!
今、モストロ・ラウンジが……
『知ってるさ、少し我慢してくれ』
「はい!」
そう言って、Aは荒れている
サバナクロー寮の寮生を静めようと
テーブルの方まで行こうとする。
ふと、先日Aがアズールに
言った言葉を自分自身で思い出す。
________
『それはまだ分からないと思うさ……
例えば……ユウくんに脅されて
渋々やってあげる、とかね』
________
サバナクロー寮に転がり込んだ
ユウにレオナを早めに締めようとしていたが、
まだ様子見と言ったアズールに放った言葉。
すると、Aはハッと驚いた顔をした後、
すぐに不敵な笑みへと変わっていった。
「な、何です。開店直後だというのに
この混雑状態は!?」
先程までまたVIPルームにいた
アズールは驚いた顔をしながら
客の多いモストロ・ラウンジを見ていた。
アズールの存在に気付いた
Aはニヤリと笑って、
『アズール、ヘルプ』と冷静に言った。
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作者名:びた一 | 作成日時:2020年12月5日 21時