人間嫌いな人魚のお話。 (ページ29)

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・Twenty eight　ｰ番外編ｰページ29

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「どうだ！A！」

『低くない？よくドヤ顔で言えたな』

飛行術で合同になったのか、
二人組のペアを作れと言われて

アズールとペアになったA。

アズールが箒に跨いで空を飛んでいる……が、
ドヤ顔をしているが高さは、凄く低い。

Aも完全に素の状態で
アズールと喋っていた。

『もっと我を見習うと良い！
ほら！どうだ！！

……って、うぉあああ！！』

箒の上に立ちながらバランスを取って、
中二病ポーズを決めるAだったが、

バランスを崩してしまい、
Aは草の上で尻もちをついてしまった。

彼も陸に来てまだ2年目。
飛行術には慣れない様子だった。

「貴方もまだまだですね」

『アズールよりは絶対マシだよ』

人並みには高く飛んでいるので、
今のところは大丈夫であろうA。

あの二人(ジェイド・アズール)よりは絶対に自分の方が
高く飛んでいると自信満々に思えるのだろう。

「そもそも、箒が言うことを
聞いてくれないから悪いんだ」

『はい、文句言ってないでやりますよー』

チラリと別のところでペアになっている
フロイドとジャミルの方を見るA。

完全にフロイドのペースに巻き込まれている
ジャミルの顔が疲れている様子だった。

Aは考えるのをやめて、
あっちの方を見ないことにした。

『見ろ！これが我の…ぎゃああああ！！！』

先程より高く飛んだAは
決めポーズをしようとするが、

それよりもあまり慣れない体制なのか
ポーズを決めれずに虚しく落ちていく

幸い怪我は無かったが
また尻もちをついてしまった

それを目の前で見ていたアズールは
口元を抑えて笑いを堪えていた

「僕も見せてあげますよ
貴方より高く飛んでみせます」

箒を持ちながら、
ニヤリと笑うアズールにAは

ボロボロになりながらも
溜め息を吐いてアズールを見た

＿＿＿＿＿＿＿＿

『アズールうううう！！！！』

Aと同じくらいの高さで
箒が飛び上がったアズールだが

バランスを崩してしまったのか
宙にぶら下がりながら片足で箒を支えていた

あまりの姿にAは
アズールの名前を大声で叫んで

箒に乗ろうとしたが
Aもバランスを崩してしまい

箒を膝の裏で支えることとなってしまった

「……何やってるんだ、お前らは」

アズールとAの近くで
フロイドと一緒に飛行術をしていた

ジャミルが二人に気付いて
何とか助けて貰い、

二人は仲良く飛行術の補習行きになった。