12、お母さん ページ14
お風呂にも入れてもらって、2人でベットに寝転がる。
｢お母さんとお父さん、迎えに来てくれるかな...｣
｢心配ねぇよ。大丈夫だ。だから、今は眠んな？｣
｢うん...おやすみなさい。｣
｢あぁ。おやすみ。｣
それから毎日、私は港へ出かけた。
お母さん、お父さんが迎えに来てくれると信じて。
｢サラ...、お母さんもお父さんも、私のこと嫌いになっちゃったんだ...｣
ある日私は我慢の限界で泣きじゃくった。
もう、わかってたんだ。迎えは来ない。
｢ｯ...あたしがあんたのお母さんになってやるから...！｣
泣いてた私をサラは抱きしめてくれた。
そのサラの肩も震えてて、私のために泣いてくれて、なんだか、あったかかった。
それからの生活はとても楽しかった。
私の力を恐れる人は居なくて、ちょっとしたことなら街の人を助けたりもして。
この平和が続くことを私は願ってたんだ。
でもそれから数年。事件は突然おこった。
私はおつかいを頼まれていて、大好きなミックスジュースを買いに行って、帰る途中だった。
街はいつもとは違うザワザワした感じになっていて、みんなが注目している方を見てみると、近くの海に ドクロマーク を掲げた船がいくつもこの島に向かって来ていた。
｢サラに知らせなきゃっ！｣
私は急いで帰宅した。
｢海賊...？｣
｢うん！大きな船が沢山！｣
私が必死に説明していると、家のドアがバンッと開かれ、焦った様子のジュースのおじちゃんが息を切らして立っていた。
｢どうしたんだい!?慌てて！｣
｢よく聞けサラッ！海賊共が上陸した！アイツらの狙いはA！お前だ！｣
｢え...私!?｣
｢どういうことだい!?どうしてAを！｣
｢Aの時を操る能力だ。大人しくAを差し出せば、街には何もしないと言っておる。しかし！ワシらは、Aを渡す訳にはいかない！街の皆も同じ意見じゃ！ワシらは戦う！だから、サラ！Aと一緒に早く島から出ろ！遠くへ逃げるのじゃ...！！｣
｢...わかった。行くよ。A。｣
｢そんな！街の人はどうなるの！？私がいけば皆は無事なんだよね!?｣
私のために皆が傷付くなんてやだよ！！
｢いいから聞きなさい！！！A！！！｣
｢ｯ！サラ...｣
サラはとても怖い顔で、私に怒鳴った。
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作者名：みかんちゃん | 作成日時：2019年8月22日 23時
