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花は二日の休みを挟んで月曜日、入学式以来の登校をした。

教室に入ると、既にいくつかのグループが出来ていることに肩を落としたくなったが、今日の花は何故か強気だったので落とさなかった。

「あ、11番の人。よろー」

すると、花の真後ろからそんな声が聞こえてくる。

花は、「11番の人」と呼ばれたことに反射的に「佐藤花ですっ!」と名乗り、振り返る。
そこには、入学式の日に、京華に話しかけられていた少女がいた。

「ゴメンゴメン。あ、あたしは北原有紗でーす」

その少女……有紗は謝罪しながら自己紹介をする。
その瞬間、花は我に返り、「急に大声出してすみませんでした!」と言った。

有紗は特に気にした様子もなく、「よろしくねー」と言いながら花の手をとる。

その時有紗は笑っていたが、花にはその瞳が少し寂しそうに見えた。

今日は雨だった。



授業が終わり、花は家に帰る準備をする。
鞄に荷物を詰め、昇降口に辿り着いた時に、偶然京華と有紗と鉢合わせした。

「おっ、花ちゃん! 一緒に帰らない?」

沈黙の中、初めに口を開いたのは京華だった。
その隣から有紗が「あと一人待ってるんだけどね」と付け足す。

花は特に断る理由も無かったので、「わ、私で良ければ」と返して二人と一緒に残りの一人を待つ。
残りの一人はトイレに行ってて、もうすぐ帰ってくるはずと言うが……

「……ただいま……あれ、その人は?」

来た。
花はそう思いつつ、身構える。

その時、京華が「佐藤花ちゃんだよ! 同じクラスの!」と付けたし、入学式の日に有紗と話していた少女……小麦の頭に手を乗せる。

小麦はそれを子供扱いしたと思って、怒ったが、花がいることを思い出して、花と向き合った。

「栗原……小麦。よろしく……」

小麦の可愛らしさに思わず目を背けたくなったが、花は我に返り、「よ、よろしくね」と返事をする。

沈黙が訪れようとしたところで、有紗がタイミング良く「帰るよー」と言った。

花は急いで上履きから通学用の靴に履き替え、先に昇降口から出ていた3人の元へ向かう。

それから4人は、出身小学校の話や、趣味などよ話をしながら学校の最寄り駅まで一緒に歩いて帰った。

それぞれ家の場所はバラバラだったので、駅で別れることになってしまったが、友達がいなかった花にとってはそれも充実した時間であった。

クラスが友達と離れてしまって、絶望の一年間が始まるかと思いきや、そうでもなくて。

「思ったより、いい生活になりそう……」

花は、これから先の学校生活に、期待と希望で胸を膨らませた。

2話「体力テスト」→←1話 「佐藤花、中学デビュー」



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作者名:ミナ | 作成日時:2018年4月13日 22時

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