激甘男子 ページ12
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「……ルトや？」
チャン・A、只今楽屋で身動きが取れない状態にあります。
その原因としては、隣のハルトこと渡辺温斗という男が僕の体を完全にホールドしているからである。
「ルトや、…なんかあったの？」
顔を覗いてみると、眉間にシワがよっていて誰がどう見ても不機嫌なルト。
「ねぇ、言ってくれないと分からないよ」
HR「Aヒョンが悪い」
いつもよりワンオクターブ低い声でそう言われた。
これはかなり怒ってる？
…………ん？いや、待て。これは何か拗らせてるぞ。
「ルトから言ってくれないと分からないよ」
HR「…」
「…言ってくれないなら違うメンバーのとこ行くから」
HR「あ、それはいやだ、」
我ながら可哀想な言い方だが、解決するにはこれしか手段が見つからない。
もういいよ、と立ち上がり近くにいたジョンファンの所へ行こうとするといきなり腕を引っ張られ、ルトの腕の中に収まる形になる。
「ルト、危ない、」
HR「…行かないで、ヒョン、」
「なら、なんか言ってよ」
HR「…嫌だったんです、…最近俺のところ来てくれなくて、」
拗ねていた理由は思ったよりも可愛いもので。
えっ、と驚いて声を漏らす僕を不安そうに見てくるルト。
HR「…Aヒョンに嫌われると思って、言えなかった、」
「…嫌うわけないよ、笑」
最近を振り返ってみれば、確かにルトと絡む時間は少なくて、実は甘えたがりなルトを無意識に寂しくさせてしまっていた。
ごめんね、と言いながら頭を撫でてみれば俺の胸に顔を埋めてくる。
「よし！これからはヒョンが毎日ルトのこと甘やかしてあげる！」
HR「それは遠慮しときます」
「
いつもはマンネズの中でしっかりしてるルトなのに、こういう時だけルトが唯一マンネみたいに可愛くなる瞬間。
HR「あ、でも普段は俺がAヒョンをいっぱい甘やかしてあげますね」
「え、恥ずかしいからいいよ」
HR「じゃあ、2人の時だけ」
そして、僕がルトに惚れてしまう瞬間である。
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作者名：on | 作成日時：2024年3月7日 21時
