無敵の双子ちゃん。参

１１２episode ページ19

【you.side】









喧嘩なんてできないし、






震えて力入ってないし







初めて人を拳で殴ったし








『最っ低…、！！』









私がそう言うとイザナは万次郎に添えていた手を話した









『ただの自己満足のために私達を巻き込まないで…！！』








「スズちゃんっ…！！」







タケミっちや皆の声が聞こえてきた








『イザナとなんか最初から知り合わなかったら良かったんだ…っ、シンイチローとも会わせなかったらっ、そしたら死なずにすんだ人だっているのにっ、』










「…スズ、オマエは変わったな」









イザナはそう言って私の顔を殴った







「スズ！！！イザナ、テメェ…」








殴られた私の体は宙に舞った







イザナはそれでも私を蹴り上げた







そのまま私は誰かの足元に転がった






「…スズさん、！！」








アッくんだ、








「俺の大好きだったスズはどこに行っちまったんだろう。」









そう言って万次郎を蹴り上げたイザナ










「そうか…オマエだ。オマエが全て奪ったんだよ万次郎!!






だからオレは…オマエも殺す」







どうしよう、







体が全然起き上がらない、












もうすでに閉じそうになっている瞼を頑張って開けながら地面に転がって万次郎の様子を見ていると千冬が側にやってきた










「オマエの双子、今すっげー頑張ってるよ」







『……そっか、』







「うん。だからさ、絶対目逸らすんじゃねえぞ」








千冬はそう言って私の頭に手を置いた








『…言われなくとも』









千冬の手がやけに暖かく感じた

１１３episode→←１１１episode

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す