歌い手病院『市立海の街病院小児科病棟』 (ページ44)

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ーun:c sideー

今日は、行かなくちゃ行けないところがあった。

でも、行きたくなかった。

そ「おれ、あんくくんの過去が知りたい。」

u「いきなりですね～。いい話じゃ無いですよ？」

犬「俺も聞きたい！」

～１０年前～

俺は、志麻くんやセンラくんの通っていた高校に行っていた。

その頃も、学校は荒れていた。

俺は、比較的落ち着いていた方だと思う。

モ「おい、難波。一緒に遊ぼうぜ。」

u「いや、今日はちょっと・・・」

断った理由は、弟だった。

弟は、元々病弱で入院していた。

この日は、母さんがいなくて俺が行かなきゃいけなかった。

モ「んだよ、連れねぇな。」

俺は、モヤモヤしながらも病院に向かった。

弟も元気そうで良かった。

次の日も病院に向かった。

モ「おい、難波！今日、ゲーセン行くぞ！」

u「今日も無理だから・・・」

この前と同じような断り方をした。

すると、胸ぐらを掴まれて壁に押し付けられた。

モ「お前、何なんだよ！」

それからの記憶は無い。

気がついたら、保健室に寝ていた。

保「大丈夫？ほら、お父さん来てくれたよ？」

父さんと一緒に夜道を歩いた。

父さんは何も喋らなかった。

u「父さん？なんかあった？」

父「弟がな・・・さっき・・・」

口ごもった父さんを見て察した。

俺が病院に行かなかったから・・・

俺がちゃんと断らなかったから・・・

u「父さん、話がある。」