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〜そらる〜
Aが歌い終わったが、誰も何も言わなかった。シーンとする中、やっとまふまふが口を開く。

ま「...すごい」

小さな声だったが、それがここにいる全員の想いだった。

女性でも歌いこなすのは難しいであろうメルトを、原キーで歌い上げた。音程も完璧だった。高音も掠れることなくしっかり出ている。そして透き通るような歌声。あっという間に全員の意識が彼の歌声に引き込まれた。

本当に、”すごい”の一言しか出てこない。

まふまふ以外誰も口を開かないので、勘違いをしたのだろう。Aが泣きそうな顔で言う。

『すみません、あの、聞き苦しい歌を...』

あんなに自信溢れた歌声を響かせた人とは思えない弱々しい声に、全員が現実に引き戻された。

あ「違う違う!!Aくんが下手だったとかじゃなくて、ほんとに凄すぎて!!」
さ「そうそう!ほんとに!びっくりしすぎて何も頭追いつかんくて!なぁうらたさん!?」
う「あぁ、ほんとに、その...すごかった」
ま「みんなさっきからすごかったしか言ってないよ!?言いたいことが僕と丸かぶりだよ!!」

まふまふの言う通りだ。言い方が違うだけでみんな凄かったしか言えてない。

『いいんです、大丈夫です。皆さんに凄いと言っていただけるだけで、お世辞でも嬉しいです!』

お世辞じゃない。でも、それを俺らが言っても気を使ってる、と捉えられて終わりだろう。なにか、なにかないか?お世辞じゃないって伝える方法。

その時、俺の携帯のライトがチカチカと光っていることに気づいた。疑問に思い画面を開く。それは、切り忘れていたTwitterの通知だった。

「合図言ってるの誰!?」
「Aって、そんな歌い手いた?」
「誰かの彼女!?」
「どゆことー」

そんな内容のものばかり。なんのことかわからずにいた。

そ「あ、しまった。」
ま「ん?どうしたんですか?」

全員が画面をのぞき込む。

さ「あ、これさっきの!」
あ「本名出ちゃってるね〜」
う「めっちゃ騒ぎ立てるな...」

顔を見合わせる。これは完全に俺の不注意だ。
「歌い手仲間です」と言ってもAという名前の歌い手はいないことくらい直ぐにバレるだろう。

ま「あ、あー!!!!」

そ「なんだよまふまふ!」

ま「いい事思いつきました!」

あ「なんだと!?」

さ「行ってみるが良い...( ˇωˇ )」

まふまふの提案は滅茶苦茶なものだが、この時はそれしか解決策がなかった。





ま「Aを、歌い手デビューさせましょう!!」

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アルビノ猫 - 書き方が好きすぎます笑いすぎてお腹痛いです← (2018年6月3日 16時) (レス) id: 18e3bfd774 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 猫さん» 返信遅くなって申し訳ありません!更新も・・・(泣) お褒めの言葉ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月1日 19時) (レス) id: b3f1af4cdf (このIDを非表示/違反報告)
- はじめまして!猫です!可愛です!面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (2018年5月19日 18時) (レス) id: e68b4dd1ee (このIDを非表示/違反報告)
アルビノ猫 - 朧月さん» 存じております、、、、、キモに銘じます、はいm(_ _)m (2018年5月13日 21時) (レス) id: 18e3bfd774 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - アルビノ猫さん» あと学校で周りに人がいるのにtwitterの話するのはかなりイラってしたかな・・・。私結構飽きやすいタイプだから気をつけてね (2018年5月13日 6時) (レス) id: b3f1af4cdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作成日時:2018年2月16日 20時

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