偽りの氷 ページ29
夜
明日人「あれ?氷河がいない」
つくし「氷雨さんはさっき氷河さんに戻ったけど、その氷河さんが何処にも見当たらないんです」
明日人「うーん…じゃぁ俺、氷河探してくる!」バンッ
つくし「ちょっ、まさか外に・・・」
杏奈「今は大雨だから危険なのに」
つくし「傘も持たないで行っちゃいましたよ…」
明日人「氷河が急にいなくなるなんて、あの女性が関係してるのかも」
タッタッタッ
明日人は知らない道を走り続けた
そして、とても大きなお屋敷の見える所で立ち止まった
明日人「凄い、こんな所にお屋敷なんてあったんだ・・・あっ」
お屋敷の前に人陰が見えた
明日人「氷河?」
氷河「明日人か、どうしたの」
氷河は雨で濡れていて、とても悲しそうな顔をしていた
明日人「この家に何か用でもあるのか?」
氷河「別に・・・」
明日人「えっと・・・きよ、にじ?」
その家の表札には清虹とかかれていた
氷河「僕の、今の本名だよ」
明日人「えぇっ!?本名って、お前の名前、氷河剱じゃないの!?」
氷河「違うのは苗字だけ、今は清虹剱なんだ」
明日人「どうして自分の名前を、もしかして氷雨も」
氷河「そうだよ、咲斗は光月って名前になった」
明日人「ひかり、づき・・・」
氷河「僕達は氷浦の名を忘れたくなかった、忘れたくないから、氷河と氷雨として生きてきた」
明日人「氷河・・・」
氷河「・・・ドクッ、うっ」
明日人「氷河!?大丈夫!?氷河!」
氷河が胸を押さえて苦しみだした
清虹家内
清虹妻「あの子はここが嫌なのかしら」
清虹夫「そうだろう、剱は清虹の一族ではないからな」
清虹夫「ずっと一緒に過ごしてきた兄弟と訳もわからないまま離されて、剱達が、一番辛い思いを抱えているんだろう」
清虹妻「!!剱!?」タッ
バンッ
清虹妻「剱!!」
氷河「っ・・・明日人」グイッ
明日人「えっ、氷河」
氷河は母ちゃんの声を聞いたとたん、俺の腕を掴んで走り出した、胸を抑えて苦しみながら。
旅館
つくし「明日人さん、氷河さん!どこまで行ったんですか!?心配しましたよ!」
杏奈「一体、何があったの?」
氷河「明日人・・・」
氷河は小さく首を横に振った
明日人「ごめん、その事については言えないんだ」
杏奈「大人の事情みたいなものね、分かったわ、聞かないでおく」
つくし「あまり無理しないで下さいね」
氷河「っ・・・・・」
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