天性の剣士 伍 ページ6
けっこん……結婚か。今、コイツは俺に結婚してほしいと言ったのか。だが、俺は男だし大体こんなどこぞの馬の骨と結婚したくない。そもそも異国はどうか知らんが日本では同性同士の結婚はできないぞ…。そんな俺の心中を知らずに金髪の男は喋り続ける。
「君ほどの可愛い子は俺、生まれて初めてあったよ!これって運命だと思わない?ね、だから俺と結婚して‼」
「お前とは嫌だ。…そもそも色々な理由で、できない。」
「えっ!?何で!?俺と結婚してくれよおおおおおお〜‼」
何としつこい。相手が断っているというのに。違う人に話しかけたらよかったか。俺は金髪を無理矢理引き離し、立ち去ろうとしたが…。
「お願いだから行かないでくれよぉおお!あと、俺と結婚してよぉおおおっ〜‼」
こう叫びながら、また俺にすがり付いてきた。俺は金髪を思いっきり蹴っ飛ばし、
「俺は早く町にいきたいんだ。邪魔をしないでくれないか。」
と言った。すると金髪はにっこり満面の笑みを浮かべた。何とも嫌な笑みだ。これが人の顔か。
「ま、町!?町にいきたいんだね!?うん、俺が町まで案内してあげるよ‼だから俺についてきて?」
嬉しそうな声になって俺の手を握った。何だか意外だ。コイツは町までの行き方を知っているんだな。本当はあまり気が進まないが……仕方ない。ついていくか。
「…分かった。ついていくよ。」
「本当!?やった〜!そうだ、君名前は?俺、我妻善逸‼」
「俺は神伽羅Aだ。」
「Aちゃんか!いい名前だね‼」
コイツは人の名前にちゃんをつける癖があるのか?というか……薄々分かっていたが、善逸という奴は色々とんでもない奴だ。いつかその性格で自滅しそうなぐらいに。
終わり←天性の剣士 肆
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作者名:日夜倫子 | 作成日時:2019年11月20日 20時