天性の剣士 肆 ページ5
あの後も何人か鬼に会ったが、どの鬼も最初に倒した鬼と同じぐらいの強さだったので、難なく突破できた。
段々、俺は気づいたことがある。それはこの場所には異様に鬼が多いということだ。俺はこの場所の…たぶん結構近くに13年暮らしてきたが、鬼など見たことない。だが、この場所は誰かが意図的に鬼達を集めたのかと疑うぐらい多いのだ。一体何なんだ、ここは。
「…また死体だ。」
これで15人めの死体だ。多分、この人も鬼にやられたのだろう。腕と顔が喰われている。それにまだ臭くないから最近死んだんだろうな。俺はそれまで見た14人と同じように土に埋めといた。
そうこうしているうちに朝になった。まだ俺は町に着いておらず、森の中をさ迷っている。そろそろ町へ着くはずなのだが…。……また道を間違えたか。俺は引き返そうと、来た道の方へ向いた。
しばらく歩いているとこれまで来たことがないところに、来た。…果たして合っているのだろうか。すると金色の髪の毛をした人が前方から歩いてくるのが見えた。そうだ、あの人に聞いてみよう。俺はその人に近寄る。
「すみません。」
「は、はいっ!?」
俺に声をかけられたとたん、その人は飛び上がり、目が飛び出そうな勢いで見開いた。
「町までの道を……。」
「き、君!」
俺が町までの道を聞こうとしたら、その人が俺の質問を遮り
「俺と結婚してくれないか!」
と俺の手を握って言った。
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作者名:日夜倫子 | 作成日時:2019年11月20日 20時