99【V】 ページ49
Aが泣きながらエレベーターから1人で降りてきたんだ
何があったのか何となく聞きたくなくて黙ってAを抱きしめた
泣きたいだけ泣けばいいと思った
やっぱり嫌な予感は的中したんだね
Aが降りてきたエレベーターが また開いてナムジュ二ヒョンが飛び出した
僕に抱きしめられるAを呆然と見て何処かに行っちゃった
ヒョンが泣かせたのか…
ヒョンの彼女になったと思ってドキドキするこの気持ちも キュンってなる痛みも 全部誤魔化してたのに…
もう誤魔化せないじゃん
この鈍感でキョトンとした顔とか照れて真っ赤になってる顔とか可愛すぎてキスしたくなっちゃうよ
見てるだけで幸せな気持ちになれる
いつも笑わせたいって思う
だからAを悲しませて泣かせるヒョンは嫌いだ
なのに…
ホテルに戻って 僕がまた部屋に遊びに行ったのにAもヌナも居なくて…
いつまで経っても帰って来なくて…
また凄く嫌な予感がしてたんだ
次の日の朝 ナムジュ二ヒョンが部屋に来た時 部屋に入れたくないって思った
話があるって言われても聞きたくないって思った
絶対Aのことだと思ったんだ
また的中しちゃったよ…
だって わかってた
Aは最初からヒョンが特別だった
大好きなんだ
わかるよ
ヒョンの仕草1つで目が輝くし ヒョンの言葉1つで笑顔になる
楽しそうなんだ
幸せそうなんだ
身体中で好きだって言ってるんだ
僕がどんなにアプローチしても気付きもしないんだから…
でも ヒョンの傍で愛しそうに見つめる目を今は見たくない…
だから ごめんね…
もう少し 僕に時間をちょうだい
また いつも通りに君を笑わせてみせるから…
心配させないように笑えるようになるまで 少しだけ時間をちょうだい
大好きだよ A
Aがこれからの人生を 笑顔で幸せに過ごせるなら 僕は いつでも 何処でも 何でもするよ？
幸せになって欲しいんだ
どんな逆境でも乗り越えようとする強くて綺麗な心の君を 僕はずっと応援したいんだ
だから僕は君が笑顔で居られるように笑うよ
その日まで もう少しだけ 待ってて…
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作者名：明日 | 作成日時：2022年9月30日 10時
