問いかけ ページ22
side緑
文化祭から3日後
夕焼けがとても綺麗で溶けてしまいそうなほどの澄んだ空
俺は亮ちゃんと帰っていた
初めて倒れてから亮ちゃんは俺と帰るようになった
何かあったらいけないとでも思っているのか、心配してくれてることが前を歩く亮ちゃんの背中からひしひしと伝わってくる
そんな気持ちを感じてしまうからこそ、俺は聞いてみた
緑「亮ちゃん…もし俺が死んだらどうする？」
俺の問いかけに歩いていた足を止めて俺の方をじっと見る
その顔をあまり見れなくて目線を逸らしてしまった
変な質問してしまった…
絶対困らせてるやん…
黄「せやなぁ…俺も死ぬかもな―」
緑「…なんやそれー俺死なれへんやん。」
黄「別に死なんでええやん」
緑「―まぁ…そうやけどなー」
なんで、俺も死ぬなんて言うん…？
俺、もう少しで死んでしまうかもしれんのに…
そんな優しい声で言わんといてよ…
予想外の答えに戸惑い、胸を締め付けられそうなほどの切なさがこみ上げる
亮ちゃんの優しい声が切なさを強めた
今自分の顔がどんな顔をしているかもわからんかった
でも今見られたらあかんような気がしていた
緑「亮ちゃん…ごめんな…」
黄「ん？なんか言ったか？」
俺はあはは、と笑ってみた
上手く笑えたやろうか…
泣きそうな顔やないとええんやけど…
すると亮ちゃんの顔が目の前に迫ってきた
黄「大倉？どないしたん？顔色悪いで？」
緑「大丈夫、気にせんといて！」
黄「え、ほんまに大丈夫なん？」
心配そうな顔
俺は「大丈夫」としか答えられんくて申し訳ないと思う
そんな顔、させたくないのに
この後、俺はみんなに、亮ちゃんにもっとそんな顔させてしまうんやろうな…
広がる夕焼けの光が俺の心を感じて慰めてくれてるように俺を包み込んだ
＊
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作者名：菅原祐飛 | 作成日時：2017年9月2日 15時
