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64page 過去編 ページ16

雪は真っ白でとてもきれい。




人はあたたかいから雪が肌にふれるととけちゃうね。





でも、何で?





何で、赤いの?






何で、炎兄は冷たくなってるの?




_________







_____________





Aと白夜は絶句した。






目の前で自分らの兄が血を流し、こちらを見て力無く笑っていた。







後から来た忍田や亜蓮、城戸達も目を見開き絶句した。









誰もがその光景が信じられなかった。
信じたくなかった。






『炎兄……!!』

「兄貴!!」







Aと白夜が動き出し、後に続々と駆け寄る。既に、もの凄い出血で降り積もった雪は赤に染まっていた。





「救急車を呼べ!!「…待て……」!?」





その言葉を否定するかのように炎冶は止めた。苦しいのか、顔を顰めながら浅く呼吸をする。






Aの頬には次から次へと温かいものが伝い唇はわなわなと震えていた。
そんなAを炎冶は片手で力無く抱き寄せ背中をさすった。






『炎兄っ、早く、早く血を止めないと!!「…その、必要…はない…」何で!?』


「ゴホッ…俺は、助からね、えよ…」

「まだ分からんだろうが…!!」

「てめえ、それ以上喋るんじゃねえよ!!」





城戸と威吹が止血しようとするがその手を振り払った。




「…ッ、俺は普通の奴らより、トリオンが、ある」

『もう喋らなくていいから!!』「兄貴血が!!」

「黙れ。…はァッ、自分の最後くらい…分かるんだよ…」








地面がどんどん赤が侵食していき、Aは目を見開き涙をぼろぼろと流す。
Aだけではない。この場にいる全員、涙を流していた。






「…俺は、幸せ者だ、わ。…マサさん、」

「ッ…何だ」

「…コイツら、頼みます…」

「……あぁ、分かった」

「……みんな、直ぐに来たら…ぶっ飛ばす…特に、真史」

「……ッ誰が行くか」

「…ははッ…」





笑う炎冶に忍田も無理やり笑う。
何だかんだで、この2人は良い相棒だった。




そして、白夜とAの名を呼ぶ。




「…お前、しっかりしろよ…」

「…兄、貴…、分かった…分かったよ」

「よし、……A」

『ッ嫌だ』

「…ごめんな、辛い思い、させて」

『炎兄、嫌だ、嫌だよ…!!』




Aの頭を優しく撫で、トリガーを握り目を閉じる。




「…大丈夫、俺は、ちゃんとお前達の、傍にいるから…」



__笑えよバカ




突然、光が周りを包む。





何事かと目を開いた時には黒いリングと共に、炎冶が塵となり、消えた。

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わったー(プロフ) - めっちゃくっちゃ面白いです!!続きが気になります!今後とも期待してます!! (2019年12月30日 22時) (レス) id: d2c32b8c6a (このIDを非表示/違反報告)
- やっと、続きが読めた(嬉しい)、続きを楽しみにしてます。(^w^) (2019年10月19日 9時) (レス) id: 736aad74b7 (このIDを非表示/違反報告)
キルア(プロフ) - その強さ神ですか?の続けお願いします (2019年9月15日 23時) (レス) id: 0cd3a06e93 (このIDを非表示/違反報告)
ミナモ - できればでいいんですが辻くんと夢主をもう少し絡めて欲しいです! これからも頑張ってください! (2019年6月17日 20時) (レス) id: b9b7859748 (このIDを非表示/違反報告)
まな - いろんなキャラが出て来て凄く面白いです!続き楽しみに待ってます♪ 更新頑張って下さい。 (2019年6月14日 3時) (レス) id: b9b7859748 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RUGI | 作成日時:2018年9月23日 1時

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