【庭球】私の人間関係

第7話 ページ8

「今日はよろしく頼むよ。」

「幸村先輩！そんな奴に挨拶する必要ないっスよ！！」

『こちらこそよろしくお願いします。』



そんな奴とはどんな奴だワカメ野郎が。
でも部長がまだ大丈夫そうで良かったよ。



「あと、必要以上に関わらないで欲しい。」




...そうでもなかった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

あの後、私は冷たい眼差しと共にコートから立ち去った。
あの人達の過去に一体何があったのだろうか。




何処へ行ってもいい気分がしない。あのマネちゃん達も...そもそもマネちゃんなのかは分からないけど、何処へ行ったの。





あれからネイルがどうとか言ってた次の日、つまり今日も何故か1人でドリンクは愚か洗濯物もやっているけども。






夕食でさえ皿並べだけ。あのホクロが公平にと強調して言ってたけど、彼女達の公平の基準が素直に気になるよ。




『ここは地獄か？』




おっと、思わず口からぽろりとでたじゃない。
でもやっぱり見るより私はやりたい、体を動かしたい。




そう思って洗濯物を入れようと外へ繋がる扉を開けてさてやるかと思ったその時、正面から物凄い衝撃がきた。




『！』




咄嗟に突撃してきた子を受け止めたまま、受身をとる。
よく見ると、ヒョウ柄の黄色と緑のジャージ。
何か全体的に濃い。



「姉ちゃん堪忍な！！」

『あ、君、怪我はない？』

「見ての通りピンピンやでぇ！あ！それよりも姉ちゃんは！？ワイのせいで怪我とかないよな！？」

『大丈夫。私はとても丈夫なので。』

「良かったわー！！」




何だろう。
サイズとかリョーマに似てて可愛い。
名前を聞いたら遠山金太郎と言うらしい。



『遠山君は何でここに来たの？』

「そうや！ワイ、白石の毒手が嫌やから逃げて来たんや！！」



訳を聞くと、やりたくないメニューが嫌と反抗したら怒られて逃げて来た、という事だね。




『遠山君にとってテニスが上手い人いる？』

「おん！コシマエ！！」コシマエとは。

『その人達が何で上手いか分かる？多分だけど、みんな遠山君が嫌だって言ってたメニューもやってるからだと思う。』

「...やりたないねん。」

『嫌な事も頑張ったら毒手もないし、コシマエ君にも勝てるかも。逆にやらないと負けちゃうかも「嫌や！！」』

『よし、なら頑張れ。』

「おん！」



可愛くて無意識にその頭を撫でてしまった。

第8話→←第6話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す