記録その参 ページ4
「逃げたか。」
私を攻撃した時、あの男の腕が砂に変わった。
鬼殺隊でもないと言うのに…何者だ。
そして何より目を惹かれたのは奴の容姿だ。
見たことも無い服装に…角度によって違う瞳。
欲しい、欲しくてたまらない。
手元に永遠と置いてやるのも悪くない。
段々と口端が上がるのが分かる。
「私としたことが、名を聞きそびれてしまった。」
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_______________
『はぁ…ッ、あいつから逃げたはいいが、何処だ…?』
Aの額からは汗がでる。
先程からずっと走っていたので気が付けばまた知らない場所へと来ていた。
『…いい香りがする。』
朝日が昇り、辺り一面を照らす。
Aは上を見上げ思わず息を呑む。
紫の花弁が風にのって舞う。
「…君は誰だい?」
その藤の花弁が舞う中に、不思議な空気を放つ子どもがいた。
澄んだ瞳がAの瞳を捉える。
『A。』
「私は産屋敷耀哉。」
『産屋敷…長いな。』
「ふふ、そう言われたのは初めてかな。」
『…お前、何歳?』
「今年で10歳になるよ。」
何処か、何処と無くあの紅く冷たい瞳をした鬼と似ている気がして警戒していたが、柔らかい笑みをする目の前の子どもに毒気抜かれた。
「私のお話相手になってはくれないだろうか?」
『俺が?』
「駄目かい?」
Aは困った。
この産屋敷耀哉と言う少年は言葉遣いや柔らかい雰囲気、とても良い育ちだということが分かる。
だからこそ、血が飛び交う場所で生きてきた自分と関わっていいのか。
自分とは真反対で生きるこの心が綺麗な少年に…それに気付いているのか否か、
「私は、君と話してみたい。」
『!!』
微笑んだ産屋敷に気が付けばAは小さく頷いていた。
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「…Aはとても辛い思いをしてきたんだね。」
『…今の話を信じるのか?』
「勿論、信じるよ。君は嘘なんかついていない、そうだろう?」
『はぁ…参ったな。』
「それに本来
『いや、迷い込んだんだけど。』
「そのお陰で、私は君と会うことができた。」
『…』
「さて、今度は私の話を聞いてくれるかい?」
Aを見上げる産屋敷に静かに頷き、微笑んだ。
『あぁ、全部聞いてやるよ。』
そう言えば、嬉しそうに微笑むのだった。
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メリエリ(プロフ) - 凄く面白くてお気に入りです！続きはつくらないのですか？ (2021年7月13日 19時) (
レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
ry_ily(プロフ) - こんばんは！もう更新はされないのですか？？とてもいい作品でもっともっと読みたいです！！更新待ってます！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: c05f4833c8 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - 伊之助推しさん» ありがとうございます！神作品だなんて本当に嬉しいです！！これからも更新していくのでよろしくお願いします！！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
伊之助推し - 神作品すぎる、本当にこれ好きなので続木楽しみにしています。 (2020年2月14日 23時) (レス) id: 5a7580d6d4 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - Ecarlateさん» コメントありがとうございます！記録その廿伍に少しだけ書いてあるのですが夢主をおびき寄せるために無惨から呪いを解かれていたという設定です、すみません文章が不足していました汗 (2020年2月2日 17時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RUGI
| 作成日時：2019年12月27日 21時
