記録その拾捌 ページ19
それはもう本当に偶然だった。
俺は今日ほど自分の運のなさに悔いたことはないだろうな。
夜は、何時も通り鬼を斬った帰りだった。ふと何かを感じて“絶”をすると2つの気配を感じた。
近付くと向こうはまだ気付いておらず、月の影でよく分からなかったが見たところ鬼と鬼殺隊だった。
鬼殺隊は負傷しており、鬼は鋭い対の扇。
___蝶の髪飾りをした、優しい姉妹達だ。
文通を交わす友人の言葉を思い出し、気が付けば刀を抜いていた。
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負傷した女の鬼滅隊は突然の第三者に驚き、目を見開いた。
気配を全く感じなかったのだ。その場に突然現れたのだ。
その男は、いや少年だろうか。
黒い狐面を被っており、真っ直ぐ前を見据えていた。
「あ、あなた、危ないですよッ…」
『あんた、それ以上怪我すると死ぬぞ。俺があの変なの足止めするから何処かへ行け。』
「変なのって酷いなあ。俺はこう見えても教祖なんだよ。」
『教祖…』
「うん、万世極楽教っていうんだよ。」
警戒することもなくにこにこと優しく、穏やかに笑っている鬼に、恐怖を覚える。
あの笑顔をして一体今までどれ程の人間を喰らってきたのか。
「姉さんッ!!カナエ姉さんッ!!」
「しのぶ…ッ、危ないから下がっていなさ…ッ!!」
「姉さんッ!!あいつに殺られたの!?」
しのぶと呼ばれた少女はにこにこと笑う鬼を睨んだ。
それは、怒りと憎しみを含んだ目で。
「わあ、また可愛い女の子が増えた。だがどうしよう。もうすぐ太陽が登ってしまう…うーん…」
『それなら塵となって消えろ。“
「!!」
頸を狙ったが鬼は首を庇い扇を持つ片手が宙を舞うが、それをもう片方の手で掴むとあっという間に再生してしまった。
今まで斬った雑魚鬼や下弦の月の比ではない。
「うん、今のうちに食べてしまおう。血鬼術“枯園垂り”」
鬼は後ろにいる負傷した鬼殺隊ともう1人を狙ったのだ。
咄嗟に2人の前に立ち庇う。
バキリ
地面に狐面が転がる。
「あれぇ、もしかして俺、運が良いかな?」
『俺は最高に運が悪いな。』
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メリエリ(プロフ) - 凄く面白くてお気に入りです！続きはつくらないのですか？ (2021年7月13日 19時) (
レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
ry_ily(プロフ) - こんばんは！もう更新はされないのですか？？とてもいい作品でもっともっと読みたいです！！更新待ってます！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: c05f4833c8 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - 伊之助推しさん» ありがとうございます！神作品だなんて本当に嬉しいです！！これからも更新していくのでよろしくお願いします！！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
伊之助推し - 神作品すぎる、本当にこれ好きなので続木楽しみにしています。 (2020年2月14日 23時) (レス) id: 5a7580d6d4 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - Ecarlateさん» コメントありがとうございます！記録その廿伍に少しだけ書いてあるのですが夢主をおびき寄せるために無惨から呪いを解かれていたという設定です、すみません文章が不足していました汗 (2020年2月2日 17時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RUGI
| 作成日時：2019年12月27日 21時
