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記録その拾 ページ11

『耀哉、俺は諦めねえ。お前が絶対に助かる方法を探す。』

「!!」

『だから…もう少し、耐えてくれねえか。』

「…ありがとう。」

『…ん。』



目を細め照れたのか頭をかいてそっぽを向くA。
ありがとう、私は君に出会えて本当に良かった。



___________







_______________



「…誰だ?」

『今からこの牢を開ける。そしたら、お前に会って欲しいやつがいる。』






______A、君に頼みがあるんだ。


______何だ?


______鬼から子どもを守って牢に入れられてしまった子がいるんだ。


______守ったのにか。



______駆けつけた時には鬼は塵となっていたんだよ。




______成程な。言いたいことは分かった。






Aは目の前の大柄な少年の傍に寄りしゃがむ。
目は見えていないはずだが此方をじっと見ていた。




『行くぞ、悲鳴嶼行冥。』

「ま、待て。何故私を…」

『お前を助けたやつに聞け。ったく、…ちゃんと羽織りを着てんだろうな…風邪引いちまうだろ。』




そう言いつつ、Aは目の前の悲鳴嶼行冥に手を差し伸べる。
すると、酷く驚いた顔をするので眉をひそめた。




『お前、目が見えないんだろ。転んだら危ねえから掴まれ。』

「!!」




おずおずと掴まるその手は少し震えている。
自分より小さな子どもとしかいなかったせいか、そう気を遣われるのは初めてのようだった。




「別に私は、人の手が無くても、歩ける…」

『あ?』

「…いや、感謝する。」

『おう。』




悲鳴嶼の歩く速さにあわせて歩く。
不思議な感覚に何処かむず痒いし、初めてのこの感覚に悲鳴嶼は戸惑った。




自分を牢から出したこの男は自分と同じ歳に見えるが落ち着いた雰囲気で、盲目な自分に同情するわけでもなく普通に接してくれた。





殺人を犯した罪人と勝手に決められ、牢に入れられていた自分を1人の人間として見てくれた。





「…感謝する。」

『…別に俺は、頼まれただけだ。』

「それでも、…ちゃんと私を見てくれた。」

『……そうかよ。』





Aは最近感謝されることが多いなと少し照れながらぶっきらぼうに返事を返すと悲鳴嶼の口元は微かに緩んだ。

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メリエリ(プロフ) - 凄く面白くてお気に入りです!続きはつくらないのですか? (2021年7月13日 19時) (レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
ry_ily(プロフ) - こんばんは!もう更新はされないのですか??とてもいい作品でもっともっと読みたいです!!更新待ってます! (2020年5月15日 0時) (レス) id: c05f4833c8 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - 伊之助推しさん» ありがとうございます!神作品だなんて本当に嬉しいです!!これからも更新していくのでよろしくお願いします!! (2020年2月24日 23時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
伊之助推し - 神作品すぎる、本当にこれ好きなので続木楽しみにしています。 (2020年2月14日 23時) (レス) id: 5a7580d6d4 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - Ecarlateさん» コメントありがとうございます!記録その廿伍に少しだけ書いてあるのですが夢主をおびき寄せるために無惨から呪いを解かれていたという設定です、すみません文章が不足していました汗 (2020年2月2日 17時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RUGI | 作成日時:2019年12月27日 21時

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