記録その卅漆 ページ38
『何やってんの。』
「Aさん!!童磨って上弦の弐だったんですか!?」
『童磨、言ったのか?』
「口が滑ってしまったんだよ。」
『耀哉からそれは言うなと言われてたでしょ、何やってんの。』
「すまないすまない。」
からから笑う童磨を炭治郎はじっと見た。
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Aが童磨と炭治郎の昼食の準備をしているとき、部屋には童磨と炭治郎が残されていた。
炭治郎はAが出ていった方を見ている童磨を見た。
「人間に戻れて良かったですね。」
「ん?」
「あなたから凄く幸せなにおいがする。」
「…へぇ。」
「何だろう、こう…幸せと心からの感謝とかそういう「炭治郎。」?」
「俺はねぇ、今の生活がとても好きだよ。明日は何をして今日のご飯は何だろうと考えるのが楽しい。」
にこりと人あたりのいい笑顔を浮かべる童磨。
いつものような作った笑みではなく、心からそう思っている笑みであった。
「Aの傍って凄く居心地がいいし、とても暖かい。初めてね、生まれてよかったって思った。」
「!!」
「ふふ、Aと出会えて良かった。彼って凄いんだよ。」
童磨がAのことを話し始め、炭治郎は不思議な気持ちで聞いていた。
驚いたのは、義勇と錆兎がAの元へよく訪れるということだった。
「Aと話しているときの皆、柔らかい空気を出すんだよねぇ。炭治郎、君もそうだよ。」
「えっ!!」
「バレていないとでも思ったのかい?Aと会って少ししか時間が経ってないよね。…本当に彼は凄いなあ。」
嬉しそうにからからと笑う童磨に炭治郎は図星だったのか顔を紅く染め視線を泳がせる。その姿にまた笑う。
「君だからAも気に入ったのかなあ。」
「それは分からないけど、Aさんは童磨のことをちゃんと大切に思ってるよ。」
「!!」
「だって、童磨といるときのAさんから凄く幸せなにおいがするんだ。」
「え、」
「それに童磨が楽しそうに話しているときのAさん、とても柔らかくて優しい表情をしているよ。」
「……そう。」
童磨は笑うのをやめ、炭治郎から目をそらす。その表情は何処か困ったような感じで、耳まで紅く染めていた。
だが、童磨から嬉しい、幸せといったにおいが炭治郎の鼻によって暴かれて今度は照れたのか、目を細めて静かに笑った。
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メリエリ(プロフ) - 凄く面白くてお気に入りです!続きはつくらないのですか? (2021年7月13日 19時) (レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
ry_ily(プロフ) - こんばんは!もう更新はされないのですか??とてもいい作品でもっともっと読みたいです!!更新待ってます! (2020年5月15日 0時) (レス) id: c05f4833c8 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - 伊之助推しさん» ありがとうございます!神作品だなんて本当に嬉しいです!!これからも更新していくのでよろしくお願いします!! (2020年2月24日 23時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
伊之助推し - 神作品すぎる、本当にこれ好きなので続木楽しみにしています。 (2020年2月14日 23時) (レス) id: 5a7580d6d4 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - Ecarlateさん» コメントありがとうございます!記録その廿伍に少しだけ書いてあるのですが夢主をおびき寄せるために無惨から呪いを解かれていたという設定です、すみません文章が不足していました汗 (2020年2月2日 17時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUGI | 作成日時:2019年12月27日 21時