【呪術廻戦】先輩、みんな大好きな件。▼さしす

第二話 ページ2

「やあ悟。昨日、涙咲先輩と仲良く始末書を書いたんだってね。」

「誰から聞いたんだよ。」

「硝子がたまたま見かけたんだよ。それで？」



涙咲先輩の前では素直になれない私の親友こと、悟。
昨日は一緒に始末書を書いていた所を硝子が見たらしい。しかも、顔が緩々というお土産付き。



「本当、面倒見がいいよね。おまけに性格も良いと来た。」

「何が言いたいんだよ。」

「いや、ふと恋人がいてもおかしくないよねって思っただけだよ。」

「はあ！？おいどういう事だよ！アイツにいるのか！？」

「いやだから思っただけ「誰だよソイツ、殺す。」ああ…」



本当、面倒な奴に好かれましたね先輩。ご愁傷さまです。


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『？』

「……」

『どうしたの？何か、嫌なことでもあった？』

「……別にねえよ。」




別にない、そう言うものの五条の表情は和らぐことはなかった。
Aは全く心当たりがないのでしばらく考える。
やはり、心当たりがない。




一方、睨んでいる五条。
しかし次の瞬間、頭に少しの重みと共に温かさを感じた。
自分が撫でられていることに気付くと目を見開く。




「…何で撫でんの。」

『こうすると、私は落ち着くんだけど…』




うーん、駄目かと手を離そうとするAの手を掴む。
そして、再び自分の頭へと持っていくと手を離した。
つまり、そういうことらしい。




『ふふ、五条は大きいね。』

「こうすりゃあいいだろ。」

『！…ありがとう。』




背伸びして五条の頭を撫でていたA。
それを見て、五条はその小さな肩口に頭を押し付けた。柔らかい白い髪がAの首や頬を擽る。





いつの間にか、寄っていた眉間も、固く結ばれていた口元も緩んでいた。



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Aから匂う、柔軟剤かシャンプーの匂い。
人工的なものじゃなくてとても落ち着く匂い。




コイツは面倒見が良くて、お人好し。
いつも周りをよく見ていて、さり気なく助けるようなやつ。
人と話す時は、相手の目を見て話し、柔らかく笑う。




ああ、クソ。
撫でるコイツをきつく腕に閉じ込めたい。




なあ、俺以外にするなよ。
お前がこうやって撫でるのも、柔らかく笑うのも、全部…全部俺にだけにしろよ。





「……」

『何か言った？』「別に。」





俺にだけ構って、A。

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