ジャンヌ 【文豪ストレイドッグス】

Jeanne37. ページ37

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「____彼女は僕が救い出す」




敦はそう宣言すると、芥川は鼻で笑い飛ばした。






「___馬鹿な事を

お前は勘違いをしているようだが
ジャンヌは光に焦がれている訳では無い」



「…」



「___ジャンヌは光も闇も、どちらも興味が無い。

ただ、太宰さんのいる世界を欲しているだけ
あの人がいる場所なら何処だって一緒なのだ」






光と闇の違いもわからないまま___
17歳の少女は時に身を委ねた。


誰が、どうして彼女をそこまで歪ませてしまったのか。
それは彼女の世界の全ての、あの人しかいない。






「光と闇の違いなら___今からだって教えてあげれる。

太宰さんが今光にいる。
太宰さんがいる所に行きたいなら僕が連れ出す。

____友達になれたかもしれない、って…
Aちゃんはそう言ったんだ

だから、僕はそれを実現させるために…
彼女を救う!!」





+




ゆっくりと綻びながら滅んでいく
美しさはやがて老いていく



きっと___

長くは生きられないから



どの偉人も、文豪達も、死んだ後に讃えられる

すなわち、彼らには多くの狂気を孕んだ
民意が向けられる。

彼らは、その時代で最も死を望まれた存在___




女優やモデルも、顔の美しさは老いれば
消えて無くなってまうでしょう


おとぎ話のシンデレラや、ラプンツェルが老いた姿を
見せずにいつまでも幸せに暮らしましたって
誤魔化して終わってしまう



御伽噺はいつだってその後が描かれない



女優達や御伽噺のお姫様の美しさを求める群衆は
彼女達に永遠を求めている




言うならば、死を望んでいる。

永遠の美であって欲しいから___



永遠を求めると言うことは
死を望むと言うこと




「____そして私も」




死を、望まれている




「此処にいたら私いつか殺されてしまいますね、
____広津さん」




落椿の持ち主にそう語りかけると、彼は視線を落とした。




「____今は、まだ」



____そう

今は、まだ。

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