Jeanne black swan.6 ページ45
+
「あ"、」
「だから逝くなってば」
腰をビクつかせてよじれるA
死体のような美しさが快感によって徐々に滲んで
消えていく。
___嗚呼、がっかりだ。
人間らしい君なんて私は見たくなかったのに。
___きっとこの世で1番君の死を
望んでいるのは私だろうね
「___さあ、耐えて魅せてよA」
+
翌日の夜___
ジャンヌの幽閉された部屋のドアを太宰は蹴破る。
破裂にも似た音が響いた。
ジャンヌの表情は真顔だったものの
太宰を見ると顔色を変え、二、三歩後退りをすると
ベッドを飛び越えて逃げるように走り出した。
__カーテンの中にAは隠れた。
太宰は驚きもせずにAに近付く。
カーテンを力任せに引っ張ると、Aはうずくまり
顔を隠している。
太宰の目は光り、歯を見せて笑った。
___それは太宰に対する、拒否反応。
Aの腕を無理矢理掴むと太宰はAと
目が合うように顔を近づけた。
濡れるパンジー色の瞳が僅かに怯えている。
時計の針の音が部屋に響いている。
___息を呑む。
+
「死体が喋るな」
糸のように細く掠れ湿った声で鳴く、
ジャンヌに向ける太宰の視線は冷たい。
___どっちが死体なんだか。
小さな体を抱き上げ何度も接物をされるAは
脳天から足の先まで痺れ、だらりと手が下がる。
太宰は唇を離すとAをベッドに
押し倒した。Aはただただ沈んでいく気がしていた。
___何かに。
欲望、快楽、夜、水槽、微熱…
「君の恐怖の対象は私?それとも快楽?」
優しい拷問に濡れた目で深く沈んだ場所から
Aは見上げる。
__艶、少し癖のある柔らかさ。
重力に逆らい垂れる焦げた茶色。
包帯で隠れた左目。1つの、目の中の紅が
ヴァイオレットと混ざる。
引きちぎられる微熱____
___その時、太宰は目を疑った。
火を見たようだった。
自分の下で、Aは____
沈黙の、嗤笑を浮かべていた。
湿った目は細くなり、太宰を見据え
口角を片方だけ吊り上げる。
___明らかに人を軽蔑、侮辱した笑み。
「…くッ___ふふッ」
太宰は体を起こし口元と腹を抑える。
「あっは…ははっ、」
___太宰は笑った。
高らかで、狂った大きな笑い声が部屋に響く。
口元から包帯を巻いた手は離れ脱力している。
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奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!私、逆ハー大好きなんで嬉しいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年3月5日 19時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
初季(プロフ) - ちっぽけさん» あああああフラグ立っちゃたんですか(震え声)了解です!笑 (2018年3月1日 4時) (レス) id: 6dc40941cf (このIDを非表示/違反報告)
ちっぽけ(プロフ) - 初季さん» 最初はこの作品、フラグなしだったんですけどフラグがたってしまって…その時に頑張って回避しようとしてた言葉ですね笑 そうです、その言葉であってます汗 (2018年3月1日 1時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
ちっぽけ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございます!(><) (2018年3月1日 1時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
初季(プロフ) - こびぐすりとはび やくのことでしょうか…?フラグ防止でわざとだったらごめんなさい(><)面白くて大好きです!これからも頑張ってください! (2018年2月26日 0時) (レス) id: 6dc40941cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちっぽけ | 作成日時:2018年1月17日 0時