No.9 ページ10
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｢Aちゃん、遠慮しなくていいからね？俺が勝手に連れて来ちゃったんだし。｣
ぱくっとひと口パンケーキを口に入れた先輩
｢いや、遠慮するもなにも、奢ってもらうなんて申し訳ないです。自分で払います。｣
さすがに、私にだって多少お小遣いはある。国見と会ってから塩キャラメルでたくさん消えたけど
｢もー、そういう所が可愛くないんだよっ｣
頬を膨らませた及川先輩
そして、それを見た他のお客さんと店員さんは胸を撃ち抜かれていた
｢はい、あーん！｣
そしてパンケーキを私に差し出した
｢ん。｣
｢おいしい？｣
｢おいしい…｣
イチゴの乗ったパンケーキはとても甘酸っぱい。
でも、ふわふわしててすごく美味しい。
｢Aちゃんさ、国見ちゃんのこと好きでしょ？｣
｢へ？｣
唐突で、予想外の質問に頭がフリーズしそうになった
｢俺の予想だけどさ、国見ちゃんのこと好きな女子がいるんでしょ？｣
ドヤ顔で探偵のように言い放つ目の前の先輩に多少苛立ちを覚えたが、顔には表さないでおいた
｢…まあ、はい｣
｢じゃあさ、そこでAちゃんに質問なんだけどね、国見ちゃんとその子が付き合ったらどう思う？｣
国見と白川さんが付き合ったら＿＿
すごくお似合いだとは思う。
国見はかっこいいし優しいし、白川さんだって美人だ。
きっとみんなの憧れのカップルになるだろう。
でも、
でも、それを想像したら心がもやもやした
なんか…
｢…嫌、です。｣
｢それはさ、好きってことなんじゃないの？｣
私が、国見を…好き？
｢いやいや、そんなこと｣
｢あるよね？｣
及川先輩に言葉を遮られる
｢好きじゃないなら、嫌なんて思わないよ。｣
そう言って微笑んだ先輩は、すこし国見に似ていた。
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作者名：もも | 作成日時：2017年11月19日 16時
