No.7 (琴 side) ページ8
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私が彼を好きになったのは入学式の次の日
入学して1日しか経っていないのに、授業中に体調が悪くなり保健室に来ていた
保健の先生は出張中らしく、誰もいない
ベッドに入ってもなかなか寝付けなかったそんなとき、ドアが開いて男の子が入ってきた
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「……君、体調悪いの」
「う、うん…」
確かこの子は、隣の席の国見英くん
あんまり良く知らないけど、いつもだるそうな印象がある
「寝なくていいの?」
「うん、寝れなくて…」
寝たい気持ちはあるんだけどね。
「国見くんはなんでここに?」
「さぼり。」
「え」
へ、平然と何言ってるのこの子…!?
と思ったが
「そ、そうなんだー…」
とりあえず流しておいた
「ねえ、やっぱり寝た方がいいよ。」
と国見くん
「そ、そうなんだけどね…」
すると、不思議そうな顔をして
「何かあったの」
と聞かれた
「ううん、何もないけど、そわそわしちゃって。」
「ふーん。」
すると国見くんはベッドに近付いて私の手を握った
「安心して寝れるまで、ここにいてあげる」
ふわりと羽が舞うような優しい笑みを浮かべた国見くん
このとき
________私は恋に落ちた。
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天然でマイペースな英くんにとっては、大したことなかったのかもしれない
本人ももう忘れてしまっている
でも、私は忘れられなかった
私だけに向けられたあの笑顔が。
だから、英くんと仲が良いAちゃんにも打ち明けた。
幸いAちゃんは英くんのことをどうも思ってないらしい。
それなら、私が英くんに振り向いてもらおう
私はAちゃんより、英くんが好きだよ。
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作者名:もも | 作成日時:2017年11月19日 16時