ヴァンパイア west

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重岡side



神ちゃんたちがおる部屋まで連れてきてくれた望。近づくにつれて段々と顔が暗くなっていくのがわかった。





重岡「おい望……しっかりせぇ。」



小瀧「ごめ……」





俺も正直逃げたしたいよ。でも神ちゃんが苦しんでる。望もこんな状況や。
俺がしっかりしなあかんやろ。




重岡「Aちゃん？今更やけどほんまに行くんか？辛いぞ？」





一番の心配はAちゃん。二人のそんな姿見て平気なはずがない。





貴『怖いですよ？でも……行くしかないんです。』




やっぱり怖いんや。俺でもちょっとびびってんのに…。ここは俺がひとりで行かな……





するとAちゃんは俺にお願いを出してきた。






貴『一つだけお願いがあります。』





できるだけAちゃんのお願いには応えたい。




重岡「なんや？」






Aちゃんからされたお願いは予想外のものだった。




貴『私をこの部屋の中に1人で行かせてください。』



は？



小瀧「そんなことしたらAちゃんが……」


そうや。望の言う通り。人間の。しかも神ちゃん達はヴァンパイア本来の姿になってるのにその中に一人で行かしたら喰われるに……






貴『わかってます……でも1人で行きたいんです。』






Aちゃんをどうにかして引き留めようと考えた。けど、そんな真っ直ぐな目で見られたら許すしか……ないやん？







重岡「わかった。けど助けて欲しい時は叫べ。助けてっておっきい声で。」





俺の下した判断は行かせる。





なんでか分からんけどこの子からは不思議なパワーが出てる気がする。Aちゃんになら神ちゃん、流星を任せれる。そう思った。





貴『分かりました。行ってきます。必ず三人を連れて帰ってきますね。』






そう言って扉の向こうに消えていったAちゃん。





小瀧「大丈夫……かなぁ。」






重岡「大丈夫。きっと大丈夫や。俺らに出来ることは信じること。それだけやろ？」






だから……おねがいや。無事に帰ってきてくれAちゃん……。

扉の中は……→←・

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