黒服のWESTくん 4 (ページ7)

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Aside

重岡「Aのことが好きです。」

貴「…」

知ってるよ。そう言ってあげたかった。だけどそれが出来なかったのは、しげの目がいつにも増して真剣だったから。

重岡「Aのことが好きや。俺と付き合ってほしい。」

前はあやふやにされた。けど今は違う…
しっかり目を見てくれて手をぐっと握って、勇気を出して告白してくれてる。

貴「しげ…ありがとう。」

重岡「っ…」

貴「でも、私はしげとは付き合えない。」

しっかり考えた。昨日の夜だって、どうやったら相手を傷つけずに断れるんだろうって。でも、答えは出なかった。

重岡「それは…俺が黒服やから？」

貴「ううん。それは違うよ？」

重岡「じゃあなんで?」

貴「もちろんしげのこと大好きだよ。だけどそれは異性としてじゃない。私が望と喧嘩した時ずっとそばにいてくれたのはしげやった。」

貴「しげは私が泣いてる時、黙って隣にいてくれた。私はそんなしげか大好き。一緒にイタズラしたり、ふざけたり、フォローしあったりする仲が私たちにとって1番じゃないかな？」

重岡「うん…そうやんな。」

私は話していて心が苦しくなった。
しげの悲しそうな表情は胸が傷んだ。けど、人を振るってそういう事なんだってわかった。

貴「でもね？私はしげを振ることで…そんな関係が崩れちゃうんじゃないかって不安なの…」

涙がこらえきれなくなって手で顔を覆うと、暖かい手でそれが解かれた。

重岡「んなもん、あるわけないやろ？」

覆っていた手が開放されたと同時に見えたのは、しげの優しい笑顔だった。

重岡「俺はどんな結果でも嫌いになるわけないやん。関係崩すわけない。だから泣かんとって？」

貴「ごめんなさい…私なんかを好きになってくれてありがとう。」

そう言うと立ち上がったしげ。

重岡「最後に1個だけ聞いていい？」

貴「？」

重岡「今幸せか？」

貴「うん！」

しげの質問に笑顔で答えると、満足そうな顔をして笑っていた。