Cant'stop ~お嬢様と執事~

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Aside



コンコン…




神山「失礼します。お嬢様、朝ですよ。」



貴「ん…神山…」



声がして目を開けると神山がカーテンを開けていた。




貴「智くん…」




私はそう呼んだ。
子供の頃に呼んでいた呼び方やったけど、大人になるにつれて呼ばなくなった呼び方。
周りの目が…あったから。






貴「あ…ごめん。」



いつもなら怒られてた。「神山です」って。
やけど、今日は違った。ゆっくり振り向いてベッドに腰掛けて笑顔で…




神山「いいんですよ。ここにはあなたを縛るものなんて何も無いんですから。」






貴「智くん…」





私がそう言うと神山は優しく抱きしめてくれた。





神山「一生かけて守るから」




そう言って身体を離し、神山の顔が見えたと思った瞬間、目の前が暗くなった。









chu…








状況を理解する時には離れていた神山の唇。





貴「智く…」





神山「こんなことだってできるんやで？」




くりくりした目で覗いてくる神山の顔は、執事や幼なじみって顔じゃなく、1人の男の子って顔やった。






貴「急にびっくりするじゃない…」






神山「俺の感情だって、もう縛るものはないねんから…」






そう言って顔を赤らめる神山。





神山「そういうことですので。くれぐれも、周りにはお気をつけ下さい。」





神山はそう言ってベッドから立ち上がり、一礼してから部屋をあとにした。





貴「うそ…でしょ」






私はもう一度ベッドに潜り込んだ。






貴「神山が…?智くんが?」






嬉しさと恥ずかしさがこみ上げてきて何がなんだか分からなくなっていた。

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