____39 ページ39
小瀧side
ちょっとサボろうと思って神ちゃんの部屋の前を通りかかった時、Aお嬢様を見つけた。
貴「…が好き?」
小瀧「誰が誰を好きなん?」
貴「わあ!」
俺が声をかけるとお嬢様は瞬時に引き出しに何かをしまった。
貴「な、何でもないです!」
小瀧「何もなくないでしょ?何も無かったらその隠してるもの出せるんじゃ?」
そう言いながら後ろをのぞき込むようにすると、俺の動きと一緒の動きをするお嬢様。
貴「ほんとに何にもないです!」
小瀧「じゃあええけど〜…と見せかけて!」
俺が不意をついて引き出しを開けようとすると、お嬢様がそれを阻止しようとして体制が崩れた。
貴「わ!!」
小瀧「おおお!」
足がもつれて転けそうになったけど俺が窓枠に手をかけたところで止まった…はずだった。
貴「落ち…」
不運なことにも窓は全開。
雑巾で拭いたあとだからか窓枠は少し濡れていて、お嬢様を受け止めた反動で見事に手が滑り…
小瀧「やば…」
外に吸い込まれるかのように窓から庭に真っ逆さま。
貴「無理です!きゃああああ!」
小瀧「大丈夫やって」
そう言いながら、しっかりとお嬢様を抱きかかえ、木の位置を見ながら足をかけていきゆっくり地上に降りた。
小瀧「ほら、言ったやろ?大丈夫って。」
自慢げに腕の中に収まるお嬢様を見ると顔を赤くしていた。
小瀧「もしかして照れ…」
貴「何が大丈夫なんですか!全然大丈夫じゃありません!」
そう言って、ポケットから白いハンカチを取り出し、俺の頬を拭った。
貴「ここ、血が出てます。降りてくる時にどこかに引っ掛けたんでしょう…ほんとに…」
さっきまでは顔を赤くして怒っていたお嬢様。
だけど今はすごく心配そうな顔で俺の頬を拭いてくれてる。
小瀧「お嬢様、ありがとうございます。もう大丈夫やで?」
そう言ってハンカチを受け取ると、下を向いたお嬢様。
小瀧「ごめんごめん。やりすぎたか…」
俺は顔を覗き込んでそのあとの言葉が言えなくなった。
なんでかって?それは…
貴「もう、ほんとに心配させないで?私の目の前で人が傷つくのはもう見たくないから…」
そう言いながら小さな体を震わせて大粒の涙を流していたから。
この時俺は思った。
小瀧(お嬢様は責任もって守ってあげな。)
663人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SIRURU(プロフ) - このお話が大好きです。更新頑張ってください!応援してます…! (2018年3月16日 19時) (レス) id: f746aab1e6 (このIDを非表示/違反報告)
虹香 - 面白いです!無理せず更新頑張ってください!私も受験生なので大変なの分ります。応援してます!! (2017年11月17日 21時) (レス) id: 08ce2e4352 (このIDを非表示/違反報告)
朱 - あんずさん» はい!ずっと待ってます!このお話大好きなので!時間があれば、更新お願いします!無理はしないで下さいね! (2017年8月26日 8時) (レス) id: 9e5e6a1601 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 朱さん» いえいえ!何も言わない私が悪いんです!見てくださる方がいる限り更新しなければならないのにそれを怠ってしまいました…更新はゆっくりですが続けていこうと思いますのでそれでも良ければ見てやってください! (2017年8月23日 18時) (レス) id: 51e1914d91 (このIDを非表示/違反報告)
朱 - あんずさん» そうだったんですか.....ごめんなさい、何も知らないのに言ってしまって...受験頑張ってください! (2017年8月23日 9時) (レス) id: 9e5e6a1601 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんず | 作成日時:2017年6月10日 16時