最強無敵のお姉様！続 (ページ26)

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第75編ページ26

……なんだったんだろう、今の猛ちゃん
噂に聞いていたような直ぐに爆発して暴れだしそうな危険な感じはしない。ただ、じっとりとした恐怖感が私を襲っていた

「ってうわ！？ちょっと大丈夫！？」

そこに居たのは血だらけで壁に寄りかかった智司くんと伊藤くんだった

「…うるせえ」

「うるせえじゃないわ！さすがにその出血はヤバいって。ほら、車出したげるから病院行くよ」

そう言って伸ばした手を、彼は無視して起き上がると私に背を向けた

「意地はってる場合じゃないでしょ！」

そう叫んでも智司くんは無視して歩いていく
とはいえ伊藤くんを置き去りにすることも出来なくて

「伊藤くん大丈夫？」

「あ、はい…すみません……」

「困った時はお互い様だよ、流石にけが人をここで放置できるほど私は鬼じゃないし」

「でも智司のこと気になりますよね」

そりゃなるけど……と口篭ったその時

「伊藤さん大丈夫ですか！」

必死の形相をした京子ちゃんが走りよってきた

「あ、京ちゃん…うん、大丈夫だよ」

「それなら今からデート行きますか！？」

嘘でしょ！？…京子ちゃんって意外に天然なんだ…。流石の伊藤くんも「そ、そこまでは元気じゃないかな…」と言葉を濁している

「そうですよね！すぐそこに病院があるので行きましょう！」

けれど、彼女がいるならきっと伊藤くんは大丈夫だろう

「京子ちゃん…伊藤くんのことお願いね。実はもう1人ボロボロなのにどっかいっちゃったやつがいるの、私そっち行ってくるから」

「任せてください！」

そう言ってくれた京子ちゃんに手を振って、私は智司くんを探して走り出した

△▽△▽△▽△▽△

「公園でひと休みするくらいボロボロなら大人しくくるまにのればいいのに」

ベンチに座り込んだ智司くんは私を見るなり舌打ちするとその場から立ち去ろうとする

「何度も言わせんじゃねえ……構うな」

「強制おねんねさせて病院に担ぎこんでやろうか？言っとくけど、その状況で私の攻撃くらってただで済むと思わない事ね」

私が拳を握り閉めれば、彼は観念したようにベンチに腰掛けた

「ﾁｯ…かっこわりぃ」

「……智司くん私の事好きだったんだっけ」

「だったらなんだよ」

「なら尚更頼りなさい。私は無理にかっこつけて綺麗なところしか見せてくれない男よりも辛いときに頼ってくれるような男の方が好きよ」

「…A」

「なあに」

「ちょっと疲れた…」