最強無敵のお姉様！続 (ページ25)

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第74編ページ25

「あー…ごめんお母さん、コップ割っちゃった」

「ちょっと血が出てるじゃない！大丈夫！？」

「そんな大したことないから大丈夫。ごめん、私今日学校だからもう行くね」

「ちょっと！？」

「行ってきます！！」

引き止めるお母さんの言葉を聞こえなかったふりをして、強引に家を出た。背中を冷や汗が流れる。

「結局私はまだ……」

血だらけの手は震えていて、私はただそれを握り閉めるしか無かった。

△▽△▽△▽△▽

今日は朝から散々だった。

大嫌いなクソ野郎の名前を聞くことから始まり、目の前で食べたい定食は売り切れて、烏には糞を落とされる始末。これもそれも全部余計なことを言ってくれた貴志のせいだからな

「……もう早く帰って寝よう」

「よおA、ひどい顔してんな」

「…猛ちゃんこそ悪人面がいつもの3割増だよ」

「うるせえ、猛ちゃんって呼ぶな。」

「それにしても久しぶりに会ったと思ったらそんな大勢連れてどこいくわけ？連れション？」

「誰がするか」

まあ確かにその人数だと便器足りないもんね
それにしてもこのメンツで智司くんが居ないのは珍しい。そんな疑問に答えるように猛ちゃんは楽しそうに笑った

「おいA、智司はもう開久のトップじゃねえ」

「は？何言って…」

「今日からは俺が頭だ。…俺ならお前を傷つけさせたりしねえ。」

1歩、また1歩と近ずいてくる猛ちゃんに思わず後ずさりする。

「ど、どうしたのかな？猛ちゃん、目が据わってるよ？」

ドンｯ

「もう逃げられねえぜA、俺は、智司みたいな失敗はしねえ…俺なら、お前を守ってやれる」

「いっ、たっ…！」

壁に手をついてギリギリのところまで迫ってきた猛ちゃんは私の手首を、折れそうなほどの力で掴んだ

「だからA…」

「…悪いけど、ヤンデレルートはお断りなんで！」

無理やり握られた手を振りほどいて猛ちゃんを押し返す。猛ちゃんはただ濁った目をして私を見ていた

「…私がただ守られてられてるようなお姫様やれるほど大人しい人間じゃないことくらい、猛ちゃんだって分かってるでしょ」

「はは、それもそうだ。…俺は智司も、お前の弟も、伊藤も、全部ぶっ倒してお前を超える」

「その時は逃がさねえから覚悟しろよ」

そういって猛ちゃんは前みたいな少し乱暴な手つきで私の頭に手を置いて、開久の生徒達と一緒に去っていってしまった