最強無敵のお姉様！続 (ページ3)

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第52編ページ3

実は私、絵描くの得意だったりする
作戦はまず私が絵を書いて犬を助けてくれた少年のいい話を新聞に投稿する。
きっと育ちのいいだろう紅野は進学校とかに通ってそうだし、てか絶対私生活の外面はいいタイプに違いないので学校は喜んで情報提供をしてくれた。
あとは学校に乗り込んでやるだけで本名の嘘偽りのない紅野とご対面、という作戦なのである。

「おい何人だ！何人れてきた！？」

河川敷に呼び出された紅野…いや白原富雄だし富雄ちゃんでいっか。富雄ちゃんは焦ったように声を上げる。そりゃそうだ、あんな2面性おぼっちゃまお嬢様の集まる学校じゃ受け入れられないだろうし。
……そのストレス発散だったのかなあ、アレ

「残念でした、私だけだよ～」

「お前っ…！」

貴志の背後から現れた私に顔をゆがめる富雄ちゃん。車停めるために貴志達に学校言ってもらってたのでここでは久しぶりの再会なのに、随分と嫌われちゃったみたいでお姉さんは納得いきません

「はは、あの時みたいに憎たらしい笑顔でAちゃんって呼んでみなよ、ねえ？富雄ちゃん」

「くっ…！」

「今日逃げ切ったら世界逃げ切った賞くれてやるよ」

そういうがいなや、貴志はもっていた架空の弟からのプレゼントを破り捨てるとおいおいと嘘泣きを始めた。……てかごめん、世界逃げ切った賞って何

「どうしてこんなことを！？」

「弟が一生懸命作ったのに…！」

「酷すぎる……」

「は！？なんなんだよ！」

私たちの芝居かかったセリフに訳が分からないと言いたげな富雄ちゃん。
そしてそんな私達もの元に彼のクラスメート達がやってきては口々に富雄ちゃんを責め始めた。
みんな素直な子達でお姉さんは嬉しいです。出来ればこのまま擦れることなく大人になって欲しい

「そうかよ！そう言うエンディングか…！」

私たちがどう言うつもりでこんなことをしたのか分かったのだろう、富雄ちゃんは近くに落ちていた瓶を割るとそれをこちらに向けて叫ぶ

「もとより俺はこっち側なんだよ！」

そう言って突進してくる富雄ちゃんを貴志は思いっきりぶん殴った。

「二度と千葉に来るんじゃねえ！」

わあ、なんて綺麗な放物線

倒れて動かなくなった富雄ちゃんに気絶したフリしてやり過ごすつもりなんだなと思っていたら、そこで辞める我が弟ではなかったらしい。
倒れた富雄ちゃんを起き上がらせると今度は派手なアッパーカットをしていた

「はいはい貴志、交代。代わりなさい」