最強無敵のお姉様！続 (ページ11)

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第60編ページ11

学校に乗り込むと息巻いているお父さんはお母さんに任せることにして私は貴志と向き直った。

「明日から、その訳の分からない椋木先生崇拝やめなさいよ」

「わぁってるわ、誰が報酬もないのにそんなことするか」

「あっそ、そうだこれあげる」

貴志にあげたのは、赤い粉の入った小瓶だった

「あ？なんだこれ…七味？？」

「ジョロキアっていう最早人体に有害レベルの唐辛子を粉にしたやつ」

「なんでそんなの持ってんだよ」

「色々役に立つのよ、それ。私はもういらないから使えば？」

何に、とはあえて言わない。
それを聞いた貴志はニヤリと笑う。
これで分かるのは流石血の繋がった姉弟だなあ。
でも、剛田の件は近いうちに片付きそうだと私は1人笑うのだった。

あ、お父さんがお母さんにぶん殴られた

△▽△▽△▽△▽

「Aちゃーん、もう上がっていいよ」

「分かりましたー！おつかれさまです」

マスターに挨拶をして、エプロンを外す。
今日もよく働いたよ私。上着を羽織って裏口から店を出る。

「って、ほんとに居た…」

「俺がすっぽかすように見えんのかよ」

「見えなくはないよね」

「ぶっ殺すぞ！」

だって本当のことじゃん？ゴリゴリのつっぱりボーイ猛ちゃんだぜ？半数が同意してくれる結果だと思います

「猛ちゃん最近ツンギレに拍車かかりすぎだから」

「あ？なんだそれ」

「ツンデレの派生。つんつんぎれぎれ」

そんな意味だった気がする。あれ違ったっけ？
とりあえず猛ちゃんはツンデレこじらせたツンギレだよ。お姉さんが認定します。

「は？意味わかんねえ事言ってんじゃねえ。…帰るぞ」

そう言って伸ばされた手に思わず笑いがこみあげた

「なあに？その手。もしかしてこのAちゃんと手繋ぎたいのかなー？どうしよっかなー！仕方ないから繋いであげよっかなー」

「さっさとしろや」

「結局繋ぐんかい。君どんだけ私の事好きなの。…てかさ、なんで？私べつに好かれることしてないと思うけど」

「……覚えてねえんだろ」

「それ智司くんにも言われた。もしかして私たちどっかであったことあんの？」

「……しらねえ」

「いや知らねえじゃなくて」

「……。」

それ以降どんなにそのことを質問しても猛ちゃんが口を開くことは無かった。
…一体私は何を忘れているのか、それすらもよく分からない。そんなに記憶力悪いほうじゃないんだけどなあ。人の名前は忘れちゃうけど