王道のど真ん中 (ページ3)

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いやゴム人間って何、正気？ページ3

いつの間に船なんて浮かんで居たのやら。そんな私の疑問を無視するように少年のグネグネとした腕が私の体に巻きついた。

「いやまって少年まって！！？？何する気だよこんちくしょう！！！！！！！つかあんたなにもの、」

「「「ぎゃあ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁ！！？？？？？」」」

私声なんて聞く気がないのか、少年は問答無用で腕の反動を利用し、小舟の方へ勢いよく飛び立った。

「なあサンジ！こいつ腹減ってるらしいぞ！」

見事な着地で小舟に降り立った少年は金髪あたまの、これまた眉毛がぐるぐるな少年にそう声をかける。

「これは麗しきレディ！！今すぐ俺が胃に優しくて美味しい料理をお持ち致します！！」

「あ、ありがとう……」

そう言って調理場らしき小舟の中に消えていく少年を見守って、私はこの、謎の少年に(推定人外)に向き直った。

「てめぇ何してくれんだボケｪ!!!!」

私の懇親の右ストレートが少年の顔に炸裂し、少年ら壁の方へすっ飛んでいく。

「る、ルフィの兄貴！？何しゃがんだこのアマ！！！」

「大丈夫っすかルフィの兄貴ぃ！！！？？」

「んだよ、いきなり殴りやがって！」

私を止めようとする、この麦わらの少年の子分らしきグラサンツインズはぎゃあぎゃあと騒ぐけどこの際無視である。ぶん殴られた当の本人はケロッとした顔をしているんだけど、もしかして私の渾身の一撃はノーダメージなんですか？

「食事を恵んで貰えるのはとてもありがたいけどさ！！？？いきなり腕のびるし！飛ぶし！！！せめて一言言ってくれても良くない！？つかなんで腕伸びるんだよ実は妖怪海坊主ですか！？」

グラサンはあー…みたいな顔をしているし、実はこの少年はああいう、突拍子のないことの常習犯なのかもしれない。いや、かもしれないじゃなくて確実に常習犯だなコレ

「おれは妖怪じゃねえ！モンキー・D・ルフィ、海賊だ！」

「へえ、海賊…。初めて見た。海賊ってみんな腕伸びるわけ？そんな話聞いたことないけど」

「ルフィの兄貴はゴムゴムの実を食べたゴム人間なんだよ」

「ゴムゴムの実…？何そのくそ不味そうな実」

「くそ不味いぞ」

「くそ不味いのかよ」

食感がゴムのような果物を想像してうへぇとなる。なんでそんなもの食べてしまったんだこの少年は…。