06_PRETTY ページ8
カーテン越しに、白石くんと村重さんの話し声が聞こえてくる
まるで私がいないかのように振る舞う白石くんも白石くんだ、なんて。
心の中で悪態をつきながらも、2人の会話を気にしてしまう自分に劣等感を抱く
白石くんの態度の豹変ぶりが何とも悔しかった
――…「で?俺に何か用あったんやろ、苺」
「あ、はい!実は今日光くんと話し合ったんですけど、OBの方々に部員のフォームを見てもらいたいんですよ〜。
で、それを前部長であった白石先輩から他の先輩に広げてもらえないかと思いまして…」
「なるほどなぁ、勿論ええに決まっとるやん。久々に体も動かしたいし、財前の部長っぷりも見てみたいし…
断る理由があらへん」
「えへへ。白石先輩ならそう言うて下さるって思うてました!
…でも、私もう1つ先輩に会いに来てもうた理由があるんです」
「?何や?」
「白石先輩に会いたかったから。って、言うたら怒ります…?」
「!…、ハハ可愛ええ奴やなぁ、苺は。
せやけど今授業中やろ?サボりはアカンよ。早よ教室戻り」
「は――い…じゃあ先輩、放課後楽しみにしてますっ!!」
「ああ。後でな」
ガラ、と少し大雑把に開けられた扉から、
村重さんのものだと思われる可愛らしい足音が遠のいていくのが聞こえた。
でも、そんな事はどうでもいい。
(財前って誰だよ、光くんって誰だよ、可愛い=苺かよ!!!)
2人の会話には私の知らない世界が多すぎた。
いくら白石くんの(仮)恋人になったからと言って、引かれた一線に踏み込んじゃいけないんだ。踏み込めない
「っ、」
私を勝手に恋人にしたアイツが憎い
何もできない自分も憎い
アイツを取り巻く恵まれた環境が憎い
こんなにも世界の違いがあるのが憎い
神様は、どうしてこんなにも与えた『モノ』に差をつけたの…?
考えすぎたのか頭がフラフラしてきた。
目頭も熱い
「、っふぇ……ひぐっ…っ」
――…カーテンの開く音がした。
目の前が少し影って、目線の先には男物の上履き
「何泣いとんねん」
「泣いてな、」
「普段も可愛くないくせに、泣き顔もイマイチなんやな」
「うるさ、」
「……どうせ、今の会話も聞いとったんやろ?」
返事代わりに、小さくうなずく。
すると白石くんは無表情のまま口を開いた
「なら話早いわ。
お前、今日テニス部来ぃ。俺の彼女って紹介したる」
「は、」
「問答無用やで。ほなHR終わったら迎え行くからな。逃げんな」
マジでコイツ、容赦ねぇ
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幸村さら - 白石くんのキャラwwwでもこの作品すごく好きです!続き楽しみにしています^^ (2015年7月18日 23時) (レス) id: a3f591967a (このIDを非表示/違反報告)
黒兎 - はじめまして!なんか白石が悪キャラになっているような気が・・・更新はいつでも待ってます!頑張ってください!! (2015年5月7日 18時) (レス) id: fbbb8ceb0f (このIDを非表示/違反報告)
こくまろ - お返事ありがとうございます!嬉しいです!アドバイスまで!更新はゆっくりでいいと思います!!私はずっと待っています!! (2014年2月24日 18時) (レス) id: 6d275633b9 (このIDを非表示/違反報告)
霧莉菜(プロフ) - こくまろさん» コメントありがとうございます。受験は大変ですが、1年あるのでじっくりと力を付けていって下さいね! 更新の方は落ち着いてからしていこうと考えています。待っていて下さる方には申し訳ないのですが……。それでも完結させる心意気です。それまでお力添え頂ければ幸いです (2014年2月23日 17時) (携帯から) (レス) id: f797003977 (このIDを非表示/違反報告)
こくまろ - 受験お疲れ様です!私は来年が受験です…更新楽しみにしています!頑張ってください!! (2014年2月22日 16時) (レス) id: 6d275633b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧莉菜 | 作成日時:2013年8月1日 19時