04_MASK ページ6
「じゃあ宜しゅう白石くん。
16時には帰ってこれると思うから、保健室使い終わったら鍵そのままにしておいてええよ」
「大丈夫です、早よ行ったって下さい」
白石くんが女医さんを急かす。
すると、女医さんは安心したように感謝の言葉を述べた後、まとめてあった荷物を掴んで保健室を出ていってしまった
案の定、室内には私と白石くんの2人きり。
ありえない。本当ありえない。すごくありえない
震える筋肉を動かして、白石くんの顔を見上げる
「さあ、また2人きりやで佐々木さん」
妖しく笑う白石くんの笑顔に、口から出かけた言葉がつまる
…冗談じゃない。
彼の思うままになんて、絶対になってやるものか
「ふ、っざけないで!
昨日からなんなの!?イケメンだからって何でも許されると思わないでよ!
………学校のアイドルがこんな事して、いいと思ってるの…?」
「ふぅん、顔色は悪いんにそないな元気はあるんやな佐々木さん。……でも」
息がどんどん荒くなる。
心臓がバクバクとうるさい。
白石くんの鋭い眼が私を映してる
そのまま思いきり握られた腕が、悲鳴をあげていた
「イケメンは何しても許される…?ふざけてるんはそっちやろ。
お前が勝手に俺の本性を見たんや。被害妄想するのも大概にしぃ
……学校中に言いふらしたいんやったら好きにすればええ。
でも、信頼の厚い完璧な白石くんと、ただの一般女子生徒。皆がどっちを信じるかなんて、ちょっと頭使えば分かる事やんなぁ?」
「……っ、」
今この場に、いつもの優しい白石くんなんて何処にもいない。
私の目の前に立っているのは、『白石蔵ノ介』という仮面を被ったただの最低男なんだ
こんな奴が人気者なんて、絶対に信じられない
「さあ、そろそろこの話は終いや。
お前気分悪くて保健室来たんやろ。この俺が仕方なく介抱してやるんやから、早よベッドに横になりや」
「……言われなくてもそのつもりだし」
「可愛気のあらへん女やなぁ」
呆れたように言う白石くんに嫌気がさす。
あんたに可愛いなんて言われても嬉しくなんかないわよ!
そんな事を思いながら、
女の子特有の痛みに耐えられなかった私は大人しく布団にくるまったのだった
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幸村さら - 白石くんのキャラwwwでもこの作品すごく好きです!続き楽しみにしています^^ (2015年7月18日 23時) (レス) id: a3f591967a (このIDを非表示/違反報告)
黒兎 - はじめまして!なんか白石が悪キャラになっているような気が・・・更新はいつでも待ってます!頑張ってください!! (2015年5月7日 18時) (レス) id: fbbb8ceb0f (このIDを非表示/違反報告)
こくまろ - お返事ありがとうございます!嬉しいです!アドバイスまで!更新はゆっくりでいいと思います!!私はずっと待っています!! (2014年2月24日 18時) (レス) id: 6d275633b9 (このIDを非表示/違反報告)
霧莉菜(プロフ) - こくまろさん» コメントありがとうございます。受験は大変ですが、1年あるのでじっくりと力を付けていって下さいね! 更新の方は落ち着いてからしていこうと考えています。待っていて下さる方には申し訳ないのですが……。それでも完結させる心意気です。それまでお力添え頂ければ幸いです (2014年2月23日 17時) (携帯から) (レス) id: f797003977 (このIDを非表示/違反報告)
こくまろ - 受験お疲れ様です!私は来年が受験です…更新楽しみにしています!頑張ってください!! (2014年2月22日 16時) (レス) id: 6d275633b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧莉菜 | 作成日時:2013年8月1日 19時