０２_STORM ページ4
視界で揺らぐ学校のアイドルは、しばらく呆然と立ち尽くした後に穿いている学ランのポケットから携帯電話らしきものを取り出した
それから、耳に当てて窓際まで歩いていく。
静かな教室内には、無機質な発信音が無駄に大きく反響していた
「――…もしもし、謙也か？」
「おん。
やっぱり２年の木村、サッカー部の田中やなくて俺に告ってきよったわ」
「はぁ？付き合うわけあらへんやろ、あんなブス」
「俺に告るなんて１００年早いっちゅーねん」
「それに俺に釣り合う女が世界にいるとも思えへん――…」
端正な顔にくっついてる、
綺麗な形をした唇からこぼれ出てくる言葉の羅列に、驚愕を覚える。
なんて、やつなんだ。
天下の優男・白石蔵ノ介のイメージが音を立てて崩れ落ちた。
吐き気がする
「――…気になる女ぁ？
いる訳あらへんやろ、アホか｣
｢………あ、でも｣
｢たった今１人だけ興味ある奴ができたわ｣
｢なぁ…………佐々木サン？｣
そう言って、持っていた携帯をしまいこちらに向かってくる白石蔵ノ介
その顔には妖艶な笑みを張り付けてる。
目は笑ってない
｢盗み聞きなんてええ趣味しとるんやな、佐々木さんは｣
｢っ、｣
｢俺かて全部が全部完璧な訳じゃあらへんねん。
いつまでも成績優秀、容姿端麗、文武両道なんて務まるっちゅー方が無理な話や｣
……どうしよう、どうしよう
足がまるで縫い付けられたかのように機能しない。
綺麗な瞳は私の視線を逃すことさえ許さない
｢──…せやけど、 流石にこの事学校に広められたら困るやんなぁ？｣
＿＿＿＿＿＿＿＿ﾁｭｯ
小さく響くリップ音、
目の前には全校の憧れる顔、
唇に残された感触が妙に生々しい。
｢決めた、今から佐々木さんは俺の彼女な。
勿論仮やけど………お前が皆に口外せぇへんように、卒業するまで俺の監視下で生活する
どや、嬉しいやろ？｣
｢は、………!?｣
｢これ、俺の携帯番号とメアドな。家帰ったら即行登録しぃや｣
ほな、と踵を返して教室を出ていった白石蔵ノ介は、私の拳に小さなメモ用紙を握らせていた。
綺麗な時で綴られた文字が今あった現実を思い出させる
｢意味、わかんない……｣
嵐のようにやってきて、
嵐のように去っていった数分間の出来事。
これが、これからの私の私生活に大きく影響していくんだ───…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
幸村さら - 白石くんのキャラｗｗｗでもこの作品すごく好きです！続き楽しみにしています^^ (2015年7月18日 23時) (
レス) id: a3f591967a (このIDを非表示/違反報告)
黒兎 - はじめまして！なんか白石が悪キャラになっているような気が・・・更新はいつでも待ってます！頑張ってください！！ (2015年5月7日 18時) (レス) id: fbbb8ceb0f (このIDを非表示/違反報告)
こくまろ - お返事ありがとうございます！嬉しいです！アドバイスまで！更新はゆっくりでいいと思います！！私はずっと待っています！！ (2014年2月24日 18時) (レス) id: 6d275633b9 (このIDを非表示/違反報告)
霧莉菜(プロフ) - こくまろさん» コメントありがとうございます。受験は大変ですが、1年あるのでじっくりと力を付けていって下さいね！ 更新の方は落ち着いてからしていこうと考えています。待っていて下さる方には申し訳ないのですが……。それでも完結させる心意気です。それまでお力添え頂ければ幸いです (2014年2月23日 17時) (携帯から) (レス) id: f797003977 (このIDを非表示/違反報告)
こくまろ - 受験お疲れ様です！私は来年が受験です…更新楽しみにしています！頑張ってください！！ (2014年2月22日 16時) (レス) id: 6d275633b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霧莉菜 | 作成日時：2013年8月1日 19時
