ＭＩＮＤ 【白石蔵ノ介】

１４_SICK ページ16

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「ｹﾎｯ……ｺﾞﾎｯ、はぁ……」


脇に入れてた体温計がﾋﾟﾋﾟﾋﾟ、と電子音を発した。
同時に、『38.7℃』と表示された電子画面が目に入る。
身体がダルい
頭痛もひどい
吐き気もする


「完璧、風邪じゃん……」


時計は午前６時前を指している。
寝苦しくて起きて、体になんか違和感を感じたから体温計を取り出してみたらコレだ。
きっと昨日の雨に濡れて帰ったのが原因だろう。
シャワーめんどくさがるんじゃなかった、最悪、しかも今日に限って両親は留守だ

やむを得ず携帯を引っ張り出してメールを作成。


【昨日の雨で風邪引いちゃったみたいだから休むね(;´д｀)先生に伝えておいて】


なんていう内容をやっとこさで打って、真樹ちゃんに送信する。
ああ、頭痛が酷くなってきた……


重たい体を無理に起こし、１階に降りてとりあえず冷えピタと飲料水を持って再びベッドに潜り込む。
なんとなく寒い、


｢胸が、痛い……｣


頭も痛い、
体もダルい、
寒気もする、
吐き気も

……なのに、胸が疼くのは、何で？


｢もういいや、寝よ寝よ｣


深く考えるのは私らしくない。
きっと、精神がウィルスにやられて痛く感じるだけだから、


朦朧としてくる意識の中、頭に浮かんできたのは何故だかミルクティー色の彼だった──…

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