ＭＩＮＤ 【白石蔵ノ介】

１３_COUPLE ページ15

急いで玄関に向かったら、案の定外は土砂降りだった

ポケットから携帯を取り出して調べてみるも、まだまだ序ノ口でこれから更に酷くなるらしい。
さらに不運な事に、今日明日と両親は海外出張のため留守中


｢真樹ちゃんも帰っちゃったし、走って帰るしかないかなぁ……｣


そんな私の呟きは、激しく降る雨によって流された
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足を動かす度にﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬと音を立てる地面。
そこから跳ねた雨水が、私の靴下とローファーを湿らせていく。
せめてもの雨避けにと鞄を頭にかざすも虚しく、制服は無惨にも水を多いに吸収していた


｢っふ、は………辛、｣


日頃運動をしない身体が、そろそろ悲鳴をあげ始めた。
荒くなった息を整えるのも精一杯だ

都合よくお気に入りのカフェテリアが目に入ったので、軒先で雨宿りを兼ねて一休みさせてもらう

静かな街の中で、聞こえてくるのは雨音と自分の息づかい。
まるで世界に自分だけしかいないような感覚に囚われた


｢……あ、｣


そんな時視界を過る、ここ最近で見慣れたミルクティー色をした頭

奴は私と道路を挟んで向こう側の雑貨屋さんを覗いていた。
学年１可愛いと評判のある岳西を隣に連れて

私には見せた事もないような優しい微笑みを浮かべて、楽しそうに談笑している白石くん。
端から見たら仲むずましい美男美女のカップルだ。
白石くん達はこちらに勿論気付いてない


ﾁｸﾝ、
何だか胸がﾁｸﾁｸ傷む。苦しい、

こんな感覚初めてだ。
白石くんを見て、胸が切ない感じになるなんて


───…まさか。


｢風邪でもひく、前兆とかかな？｣


だったら急いで家に帰らなければ。

そして私は白石くん達に背を向けて、ゆっくりと再び走り出す

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