12_RAIN ページ14
「こはるぢゃ〜ん」
「あらあら、どないしたん?」
「佐々木ゴルァ!誰に許可とって小春に抱きついとんねん!
俺が甘くしとったからって調子乗んなやクソアマ!小春も小春やで、浮気か!?」
「一氏黙っとき」
「小春ぅ…」
「ほんで、Aちゃんどないしたん?」
散々だった。
本当に今日は酷かった。
朝白石くんと別れて早々、メール受信『のど乾いた。コーヒー買ってこい。ただし、駅の近くにあるスタバの夏限定のやつ』。
学校抜け出して言ったらいったで罵られる『ぬ る い』。
親友の真樹ちゃんと一緒にお弁当食べようとしたら、突然白石くんがやってきた『学食で席取っといたで、ハニー?』。
そこで昼食おごらされる『よし、俺ランチ定食Aな。ご飯大盛り、サラダにはドレッシングかけてもろて』。
一番最後に残しておいた大好きな唐揚げが奴に食われる『食べへんのやったら俺が貰ったる』。
そして極めつけに、白石くんから放たれたひとこと『お前、役に立たへんのな。今日一日見とったけどそこら辺の女の方がよっぽど気ぃきくわ』。
「…それは何とも可哀想やったわねぇ…」
「小春ちゃ―――んっ!!」
「小春ぅ―――――っ!!」
「お前は黙っとり」
『役に立たない』だ?
白石蔵ノ介だけには言われたくなかった
私だって好きで奴に従ってるわけじゃないし、彼女になったわけでもない。
まして役立ちアイテムなんて尚更。
なけなしのお小遣いだって使って学食奢ったのに……
アイツの楽しそうに含んだ笑いが頭から離れない
思い出すだけでも吐き気がする
「とりあえず、収まるまでこのままでいてええよ。
今日は雨で部活中止やろうから私らも行かんでええしな」
小春ちゃんがやさしく頭を撫でてくれる。
一氏くんだってなんだかんだ言ってるけど、黙って背中をさすってくれるから優しい
でもちょっと待って。
「え、雨……?」
「おん、雨やで」
小春ちゃんの放った言葉に違和感を感じる。
え、雨……?
「だって今日降水確率10%だって…」
「あらやだAちゃん知らんの?それは午前中の話じゃない。午後からは80%になるんよ」
「嘘、」
知らなかった。
最悪だ、折りたたみ傘は今日に限って持ってない
「こ、小春ちゃん!一氏くん!」
「ん?」「あ゛?」
「今日はごめん、ありがとう。私傘持ってないから酷くならないうちに帰るね!」
ガタッ、と激しく席を立つ。
早く早く、土砂降りにならないうちに帰らなきゃ…
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幸村さら - 白石くんのキャラwwwでもこの作品すごく好きです!続き楽しみにしています^^ (2015年7月18日 23時) (レス) id: a3f591967a (このIDを非表示/違反報告)
黒兎 - はじめまして!なんか白石が悪キャラになっているような気が・・・更新はいつでも待ってます!頑張ってください!! (2015年5月7日 18時) (レス) id: fbbb8ceb0f (このIDを非表示/違反報告)
こくまろ - お返事ありがとうございます!嬉しいです!アドバイスまで!更新はゆっくりでいいと思います!!私はずっと待っています!! (2014年2月24日 18時) (レス) id: 6d275633b9 (このIDを非表示/違反報告)
霧莉菜(プロフ) - こくまろさん» コメントありがとうございます。受験は大変ですが、1年あるのでじっくりと力を付けていって下さいね! 更新の方は落ち着いてからしていこうと考えています。待っていて下さる方には申し訳ないのですが……。それでも完結させる心意気です。それまでお力添え頂ければ幸いです (2014年2月23日 17時) (携帯から) (レス) id: f797003977 (このIDを非表示/違反報告)
こくまろ - 受験お疲れ様です!私は来年が受験です…更新楽しみにしています!頑張ってください!! (2014年2月22日 16時) (レス) id: 6d275633b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧莉菜 | 作成日時:2013年8月1日 19時