ばったり? ページ32
モトキside
シルクの家に向かって歩く。
いい朝だ。
天気もいいから、公園とかで息抜きしたいかも。
あれって・・・
モ「・・・A?」
シルクの家のすぐ前でうろちょろしてるAが目に入った。
俺がAを呼ぶと、ビクリと跳ね上がって恐る恐るこちらを見る。
『あ、お、お、おはよう』
明らかに動揺してるの、これなら誰でもわかるなぁ。
ちょっと可愛いなんて思ったりして。
モ「Aさん、挙動不審過ぎですよー」
顔を覗き見るように見ると、焦ってるのが分かる。
『そ、そうか?普通だっ』
さすがに無理がありすぎるよ・・・。
モ「何かあったら相談するのが俺たちの決まりでしょ。言
ってくれないとダメだから」
俺が少し強めに言うと、Aは俺の肩をがっちり掴んで話し始めた。
しかも物凄い早口で。
『あ、あのさ!例え話なんだけど!・・・友達にキスされた
らどうすればいいかな・・・・・・・・・って、友達が言ってた。
つまり私の友達の友達が私の友達にキスしてその相談を受
けて、だから、全然私と関係ねぇから!至って普通の相談
だから!深読みとか全然しなくていいから、率直な感想を!』
モ「うん、1回落ち着こうか」
言ってることが支離滅裂。
こんな焦ってるAを初めて見た気がする。
『・・・ねー、聞いてる?』
モ「聞いてる。つまりAは誰かにキスされたんだ」
硬直するA。
なんでバレないと思ったのか逆に不思議。
って冷静に突っ込みたいけど、生憎こっちは胸が不安と嫉妬でいっぱいなんだよね。
『・・・誰に、とか聞かねぇの?』
伺うように俺を見る。
聞きたい気持ちと、怖い気持ちが混ざった。
モ「誰とキスしたの」
だけど、事実には目を背けられない。
Aは頬を染めて言った。
『・・・シルク』
よりによってアイツかよ。
先、とられたなぁ。
モ「無理やりされたの」
今、俺、きっと顔怖い。
Aからすれば勝手に怒ってるだけだけど、それでも抑えられない。
『・・・わからない。嫌ではなかった・・・かも』
どこまで追い打ちをかけるんだ。A。
モ「じゃあ、俺は?」
『え』
─
37人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シズ | 作成日時:2018年1月24日 22時