心臓の音 ページ30
Aside
1人、夜道を歩いて家まで帰ってきた。
送ってくって言われたけどガン無視で歩いてきた。
なに、あれ。
シルクってあんなにかっこいい奴だった?
胸の鼓動が高鳴る音、あの時シルクに聞こえてたら恥ずかしくて死にそうだ。
『あ〜・・・』
部屋で1人、情けない声を出した。
高校時代のあの恋。
思い出す。
ある先輩のことが好きになって、付き合って。
キスひとつせずに終わった。
ねえ、言ってる意味わかる?
シルクが初めてだったんだぞ?
『あ〜・・・』
目の前の鏡を見て思う。
これは恋してる、女の子の顔だって。
今までわたしの周りにいた女の子、こんな顔してた。
・・・気がする。
『もう、Aくんじゃないなぁ・・・』
イケメン?
違う、私は完全に、今、女だ。
おもむろにスマホを取り出した。
A相談していい?
これはンダホに送った。
昔っから相談相手はンダホだから。
すぐに既読がつく。
ンダホうん!いいよ!
改めて、相談する内容を思い浮かべると恥ずかしい。
けど、しなきゃ、背負いきれない。
A今日、シルクの家に行ったんだけどさ
Aその・・・
Aキスされた
あぁ、送ってしまった。
と思いながら返信を待つ。
ンダホえ!
うん、そりゃその反応になるよな。
ンダホ嫌だった?
それシルクにも聞かれた。
嫌か嫌じゃないかだったら・・・
A嫌ではなかった
べ、別に良かったわけでは・・・と勝手に慌てる。
ンダホじゃあ、もう好きじゃんか
・・・え?どういうこと?
Aよく、わかんないんだけど
ンダホAはそういうところ鈍感だよ、昔から
なにそれ、ほんとに意味わからない。
ンダホ好きなんだよ!Aはシルクのこと!
ええええぇえ!?
A嘘だ
ンダホそう思うなら、これからシルクと過ごして、
ンダホ違うと思ったらそれでいいし
ンダホ好きだったら好きなんだよ?
えぇ、そういうものなのか?
A分かった・・・
え、いやわかんないけど!
過ごしてみるのも、アリ?
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作者名:シズ | 作成日時:2018年1月24日 22時