家庭教師 ページ21
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ピンポーン
・・・今度は誰だよ。
ピンポーン
・・・誰か出ろよ、
ピンポーン
・・・俺しかいないんだっけ。
仕方なく自室を出て、階段を降りる。
玄関の鏡を見た。
少し寝癖のついた髪の毛。
そのまま扉を開ける。
??「・・・・・・」
『あ、どーも、家庭教師でーす』
・・・何その個性的な挨拶。
こんな男呼んでないぞ?
『ん?両親いねぇの』
急に口悪いじゃねーか。
『おま・・・君、喋れる?』
お前って言いかけた、コイツ。
??「帰ってください」
扉を閉める。
だけれどガッと音が鳴って、扉が閉められない。
足を挟んでる・・・。
『お前、なんなんだよ!痛てぇよ!足!』
??「あんたが勝手に挟んだんでしょ」
『いやいや、お前が閉めるから悪ぃ!』
はぁ・・・?この人なんなんだよ・・・
とりあえず家庭教師が来るってことは聞いてたから、渋々中に入れる。
ってかサラッと”お前”って呼んでるし。
??「あの、もう俺、家庭教師とか要らないんで」
これは本心。
どんな力仕事でもいいから、働きたいんだ。
お父さんも、お母さんも、滅多に家に帰ってこない癖に、
たまに帰ってきたら勉強のことばっか。
正直、家庭教師もこれで3人目。
みーんな俺がやる気ないからすぐやめたんだ。
だから要らない。
『え、お前くっそ馬鹿なのに?w』
────え?
フリーズする。
どういうこと、俺、今けなされてんの・・・?
??「・・・どういうことだよ」
なんか、諦めていたことなのに腹が立つ。
『そのまんまの意味なんだけど。その頭で、大学進学は人生諦めてるね』
・・・めちゃくちゃに言うじゃん。
別に人生諦めてるわけじゃねぇし。
??「俺、別に大学進学は目指してない。就職する」
そういうと突然笑いだした。
??「な、なんなんだよ!」
まだ、笑ってる・・・
声高っけぇんだ、うるせぇよ!
『いやいや、ほんと、社会を舐めてるねぇw』
??「な、うるさ──」
男は顔を近づける。
・・・よく見ると、結構イケメン。
『おねーさんが教えてやるよ』
・・・・・・?
??「おねー・・・さん・・・?」
ほんと、わけわかんないんだけど・・・?
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作者名:シズ | 作成日時:2018年1月24日 22時