fond.241 ページ46
.
「………違う、」
「あ"ぁ？！」
「………もう！先生の家、住んでない…！！」
ツン、と小さな痛みが鼻の奥に現れた。
……いやなんか言ってよ…。
無言とか辛いです。
ボン！と聞き慣れた激しい音がしたと思えば
爆豪くんが自分の掌から出した爆発で肩の辺りの服が焦げている……
あまりの驚きに出かけてた涙は引っ込んだ。
「………え…何してんの……」
「……うるせぇ」
ギロ、と睨まれたけど……何かした？！
よくよくちゃんと見れば、バカ程火力を出したのかちょっと火傷してるし…
仕方ないから爆豪くんに近づき回復する。
嫌がるかと思ったけど、特に何も言わなかった。
……高そうな服がもったいない。
「いーんかよ、それで」
ボソっと言った爆豪くん。
「良いも何も、家帰れって言われたし……もう何日も経ってるし……」
「テメェは納得してんかって聞いてんだよ」
「納得しててもしてなくても何も変わらないじゃん」
「それじゃ今までと何も変わんねぇダロ」
「………終わりにしたもん。」
……したはず。
私の片想いに終止符を打った…はず。
「テメェは気持ち伝えたんか」
「………言ってない…言えるわけないじゃん！！」
「終わりにしてぇならちゃんと言ってからにしろや！！だからいつまでもウジウジしとんだろ」
……本当はわかってた。
多分私はまだこの恋に囚われている。
終わりにしたと何度も言い聞かせて
時が経てば…
なんて思っていたけど
何日経ってもこの気持ちがなくなるなんてことなくて
少なくなることもなくて……
だからって……今更どんな顔して会ったら良い？
ずっとずっと言わなかった、言えなかったこの気持ちを伝えられるわけなんてないじゃん。
結果も見えているのに。
まだ、数日だから…
これが何ヶ月、何年って経てばきっと忘れられてるはずなんだから…。
「……いいの、忘れるの。もう好きじゃない」
"好きじゃない"
言葉にするとスー、と胸から重さが少し消えた。
……これでいい、こうして少しずつ
忘れよう。
何も言わなかった爆豪くん。
しばらくして時計を確認すると泊まってけという言葉に甘えさせてもらいシャワーを借りた。
終電はとっくに無くなっていた。
大きめのTシャツを借り、もう慣れた爆豪くんの腕の中で目をつぶる。
久々に感じた人の温もり。
背中だけがとても熱かった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くま(プロフ) - 暇人さん» コメントまで頂けたお気持ちが本当に嬉しいです🥺❤ありがとうございます！続編にて、無事完結させていただきましたので、ゆっくり読んでいただけたら嬉しいです😊！楽しんでもらえると幸いです♡ (2021年9月26日 11時) (
レス) id: 429e4ba01a (このIDを非表示/違反報告)
暇人 - 親に制限かけられてるので、評価入れられないですけど、とっても面白いです！！更新楽しみにしてます！！ (2021年9月26日 10時) (レス) @page50 id: 6924eeb861 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - りかさん» コメントありがとうございます！！評価まで入れていただいてとっても嬉しいです！そう言って貰えるなんて喜びすぎて調子に乗ってしまいそうですーっお気持ち飛ばしていただければキャッチしますんで！笑、楽しんでいただけるお話をお届けできるよう頑張ります！！ (2021年9月16日 17時) (レス) id: 429e4ba01a (このIDを非表示/違反報告)
りか(プロフ) - コメント失礼致します。なんで！評価が1回しか押せないのでしょうか…？本当にすっごくすっごく大好きな作品です(語彙力)作者様のご無理にならない程度に更新を楽しみにしております！！ (2021年9月16日 7時) (レス) id: f46f442970 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - ルークさん» 楽しみにしていただいてありがとうございます！更新頑張りますー！ (2021年9月14日 6時) (レス) id: 429e4ba01a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くま | 作成日時：2021年8月30日 18時
