検索窓
今日:19 hit、昨日:3 hit、合計:187,988 hit

13『対照的な』 ページ13

-


颯爽と消えていった背中に「もう!」と頬を膨らませる今のジュンフィさんには、ぷんぷんという擬音が相応しく、とても怖いとは言い難い怒り方だ。


「どうもすみません」

「い、いえ…こちらこそ…」

「ミンハオはちょっと人見知りなところがあって…だけどすごく優しい子なので」


「仲良くしてあげてください」と続いた言葉に、表情を強張らせたまま「はい」と頷く。

あれは人見知りというか…完全に私が嫌われていると思うのだけれど。

もともと私が悪いのだし、彼を責める気にはなれないが。


「このお花屋さんは二人で経営されてるんですか?」

「いえ、僕はそうですけど、ミンハオはアルバイトです。まだ学生だから」

「が、学生さん!?」


驚く私とは対照的に、ジュンフィさんは当然とったように頷いた。

大人っぽいから、てっきり自分より歳上だと思っていたけれど、どうやら違ったらしい。

それでも私とそんなに歳は変わらないはずだが、同い年のちんちくりんアンパンマンがふと頭に浮かんで、今時の子は大人びてるなあなんて感傷に浸る。


「そうだ、お詫びにと言ってはなんだけど、今日は一本お花をプレゼントしますよ」

「え、そんな…いいですよ、悪いし…」

「ううん、こっちが申し訳ないことしちゃったんだし、気にしないで」


うろたえる私を置いて、「どれがいいですか?」なんて話をとんとんと進めていくジュンフィさん。

どうやら引くつもりがないらしいことを悟り、私はとりあえずお言葉に甘えることにした。


「じゃあ、このカーネーションで…」


私が指を指すと、ジュンフィさんは「はーい」と返事をしながら一本引き抜き、慣れた手つきでくるりとビニールに包んでいく。

おまけに真っ赤なリボンをつけて、「どうぞ」とピンクのカーネーションをこちらに差し出すその姿は、さながら王子様のよう。

お礼を述べながらそれを受け取ろうとすると、なぜかひょいと取り上げられてしまい、私は訳がわからず目をぱちぱちさせた。


「ここで、花言葉クーイズ!」


彼の口から出た予想外の言葉に、さらに困惑する。


「ピンクのカーネーションの花言葉は?」

「え?あ、えっと…確か “美しい仕草” …でしたか?」


すると、ジュンフィさんは「ピンポーン!」と自ら正解の音を鳴らしつつ、私に花を渡した。

無邪気な彼の姿に、私は思わず吹き出す。


-

14『未熟者には』→←12『そんなに』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (268 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
609人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , JUN , ジュン   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミラルカ(プロフ) - レンさん» コメント、ありがとうございます!わ〜よかったです!!ホッとしました 笑。後編も楽しんでいただけるように頑張りますね! (2019年11月26日 0時) (レス) id: 0059877645 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - じゅんぴの敬語、言われるまで気付きませんでした〜笑笑 この作品すごく好きなので続きが楽しみです! (2019年11月25日 21時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
ミラルカ(プロフ) - satoetu61さん» コメント、ありがとうございます!この二人が一緒にいる作品、なかなかないですもんね…意外な組み合わせかなぁと思っていたのですが、こうして喜んでくださる方がいて安心しました!後編もよろしくお願いします〜! (2019年11月24日 23時) (レス) id: 0059877645 (このIDを非表示/違反報告)
satoetu61(プロフ) - 楽しみに読ませて頂いています。私の3人の推しの中の,2人スングァン、ジュンが出てくるので嬉しくて。2を楽しみにしています。 (2019年11月24日 23時) (レス) id: 02f0e3e684 (このIDを非表示/違反報告)
ミラルカ(プロフ) - ねこ娘さん» バ、バレておりましたか!鋭いですね…さすがです!(笑)主人公ちゃんがどのような答えを出すのかは、後編までのお楽しみということで…お待ちくださいませ〜〜! (2019年11月24日 19時) (レス) id: 0059877645 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミラルカ | 作成日時:2019年10月18日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。